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中国・三峡ダム完成で韓国近海の生態系破壊(下)

 漢江水環境研究所の孔東寿(コン・ドンス)所長は「窒素化合物は陸地の上水源では汚染を引き起こす原因物質だが、海では生態系を維持するのに必要な栄養素だ。窒素化合物が急減すると、それをえさとする植物プランクトンが減り、それが動物プランクトン、魚類へと波及し、生態系の食物連鎖が連鎖的に影響を受けることになる」と警告した。魚の産卵減少と成長遅延などの影響は避けられず、韓国の水産業にも大きな打撃が予想される。

 国策研究機関のある海洋生態専門家は、「植物プランクトンの減少はこれまでバランスが取れていた西海・南海岸の海洋生態系が破壊されていることを示す深刻なシグナルだ。徹底的、継続的な環境影響調査をはじめ、対策が急がれる」と指摘した。

 今回の調査では、海洋生態系が急変を示す別の兆候も見られた。まず、海水の平均塩分濃度が急上昇した。済州島一帯の塩分濃度は長江の淡水が流入していた06年夏には海水1リットル当たり28グラムだったが、昨年夏には32グラムへと14%も上昇した。海洋研究院は、東シナ海と南海(韓国南部沖)に流入する淡水の80%を供給していた長江に三峡ダムが出来たためだと分析している。崔博士は「長江から海に流入する堆積物も三峡ダム工事以前の33%に減少した。今後影響に関する長期的な研究が必要だ」と述べた。

パク・ウンホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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