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極右民族派と現職、2月に決選投票 セルビア大統領選

2008年01月21日09時29分

 セルビア大統領選が20日、投開票された。同国選管の集計(開票率約76%)によると、極右民族派、セルビア急進党のニコリッチ党首代行(55)が得票率39.6%、親欧米路線の民主党のタディッチ大統領(50)が35.5%で、他の候補7人に大きく差をつけた。当選に必要な過半数を得た候補がおらず、2月3日に04年の前回と同様、ニコリッチ、タディッチ両氏による決選投票が行われる。

 選挙の焦点は欧州連合(EU)加盟とコソボ独立問題。両氏ともコソボ独立には反対だが、タディッチ氏はEU加盟を推進、ニコリッチ氏はEUに懐疑的でロシアとの関係強化を主張する。

 セルビアでは、06年のミロシェビッチ旧ユーゴスラビア大統領の死後も反欧米感情が根強く、07年1月の総選挙では、急進党が第1党を維持。欧米は民族主義の再燃を警戒し、セルビアのEU加盟に向けた交渉を急ぐなど、改革派のタディッチ氏を側面支援してきた。だが、EUがコソボ独立を支持する動きを見せていることに反発が高まり、ニコリッチ氏に有利に働いたとされる。

 決選投票では、第1回投票で自党候補の支持に回ったコシュトニツァ首相の動向がカギを握るとみられる。

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