飼い犬を毛繕いする野生ザル捕獲 動物園で新生活 山口2008年01月20日17時31分 庭先に現れては犬の毛づくろいに精を出していたメスのニホンザルが昨年暮れ、山口県周南市で捕獲された。人がかまれたりして、けがをする被害が続いたのがきっかけ。仲間のサルの仕業とみられるが、メスザルも一時は有害な野生動物として殺処分も検討された。年が明けた今は市徳山動物園にいる。パートナーを亡くしたオスのニホンザル「アカマル」と同居し、また仲良く毛づくろいをしている。
メスザルは推定5、6歳で体長約50センチ。名前はまだない。昨年10月ごろ、熊毛地区の山あいの住宅地に出没するようになった。数軒の敷地に入り込み、飼い犬の毛を触る姿がたびたび目撃された。 なぜか相手の多くはシバイヌ。ある飼い主によると、「犬猿の仲」だけに犬は初めはいやがっていたが、次第に身を任せるようになった。「気持ちよさそうにしてほほえましかった。それでも人への被害が不安だった」 その心配は当たった。飼い主が愛犬を室内に隔離すると、大人や子どもがサルにかまれたり引っかかれたりするようになった。被害を受けたのは女性ばかり13人。 「気がつかないうちに近づいてくるから雨の日でも傘を差せない」と不安を口にしていた女性は、自宅玄関に入るまで傘を振りながら周囲を警戒していた。 周南市は対策本部を設置し、メスザルが足しげく通っていた家のシバイヌをおとりに網を仕掛ける作戦に着手。メスザルだけが昨年12月28日朝に取り押さえられた。観念した様子で抵抗しなかったという。別のサルも目撃されており、市は悪行を繰り返した「犯人」ではなかったとみている。 人間なら20歳前後のメスザルは15日、徳山動物園で新生活を始めた。アカマルは初老の年代で恋仲になりそうな様子はない。以前のように気ままに動けなくなったが、居心地はよさそうだ。園の木原一郎獣医師(39)は「命ある動物だけに生きられる方法が見つかり、アカマルにとってもよかった」と見守っている。 PR情報この記事の関連情報社会
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