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オバマ氏苦境 中南米系住民票がクリントン氏に ネバダ州党員集会 (1/2ページ)
【ラスベガス=松尾理也】クリントン、オバマ両候補が激しく競り合う民主党大統領候補者レースで、初めて舞台を西部に移して行われたネバダ州党員集会をクリントン氏が制した。初戦のアイオワ州で挙げた勝利の新鮮味が次第に薄れつつあるオバマ氏は、“善戦”の域にとどまった。2月5日の「メガチューズデー」を前に、オバマ氏は早急に形勢立て直しのための勝利が必要となる。
「われわれは、大統領候補を選出する全国党大会に送る代議員の獲得数では、クリントン氏を1人上回った」。オバマ氏は敗北後、こんな声明を出した。正式な代議員数は4月の州党大会にならないと確定しないが、この日、一部で両候補同数の地区があり、くじ引きで結果を確定したことなどから、ネバダ州ではオバマ氏支持の代議員が1人多いと推計されているという。
しかし、その主張はむしろ、オバマ氏の苦境を浮き上がらせる。
ネバダ州の特徴は、中南米系、黒人が混在する人種・民族の多様性にある。本来、初の黒人大統領をめざすオバマ氏にとって、このネバダ州で多様な人種から広範な支持を集め、もう一度追い風を吹かせることが至上課題だった。同氏には、人種や民族間の対立を乗り越え、融和させる能力があるとの自負もある。
しかし、ネバダ州の戦いは苦い結果に終わった。黒人層からは強い支持を集める一方、焦点の中南米系にはクリントン氏が浸透を強めた。AP通信によると、オバマ氏は黒人票の8割を獲得し圧倒的な強さを見せた一方、中南米系の7割近くはクリントン氏に流れ、融合どころか、対立激化の様相を呈してしまった。
オバマ氏は、ラスベガスで強い影響力を誇るとともに、中南米系有権者を多数抱える飲食業労組の支持を取り付け、一時は優勢に転じたかと思われた。しかし、この日の集会には、「私は組合に忠誠を誓います。でも、ヒラリーに投票します」と書かれたプラカードさえ見受けられた。