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【おやじの知恵袋】野菜不足の日本人 (1/2ページ)
世界一の長寿国といわれる日本。しかし、その実態は、がん、脳卒中、心臓病など生活習慣病の増加が深刻な問題と化し、健康的な長寿とは言い難い。これは、日本人の食生活が欧米化して肉食が中心となってきたことにより、野菜や果物の摂取量が減少。その結果として、栄養バランスが崩れてきたことが大きく影響しているといわれている。
厚生労働省が2000年に始めた「健康日本21」では、日本人の野菜摂取量の目標値は1日350グラム以上(果物は200グラム以上)とされているが、2005年の「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、最も野菜を食べている60〜69歳の年代でも1日に340グラム弱、育ち盛りの小学生から中・高校生にいたっては250グラムを切っているなど、どの年代においても目標値が達成されていない。そればかりか、国民1人あたりの野菜摂取量は、1988年からの10年間でアメリカ人より少なくなっており、野菜や果物の摂取量を増やすことが現代日本の課題となっている。
アメリカでは1990年当時、死因のトップであるがんを克服すべく多くの研究を行った結果、野菜と果物を多く食べている人ほど、がんなどの生活習慣病の発生率が少ないことを発見。政府・行政機関と民間の企業・団体が協力して、「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)運動」をスタート。「1日5〜7皿(1皿=約70グラム)の野菜と果物を食べる」をスローガンとして国を挙げて取り組んだ結果、飛躍的に野菜と果物の消費量が伸びるとともに、生活習慣病での死亡率の減少に大きな成果を上げた。