閣僚による国民対話集会「大臣と語る希望と安心の国づくり」が19日、飯田市で開かれ、舛添要一厚生労働相が地域住民らと地域医療の充実をテーマに意見を交わした。この中で舛添厚労相は「医師確保対策には力を入れているが、極めて深刻な産科について国として検討したい」と述べ、産科医不足について新たな対策を講じる方針を明らかにした。
集会には、飯田市などから一般市民、医師、行政担当者ら121人が出席し、医師不足など地域が抱える医療問題についてそれぞれの立場から発言があった。舛添厚労相は冒頭、「全国都道府県でも老人医療費が低い長野県の医療をモデルとして、安心と希望の持てる医療制度の確立を図りたい」と述べた。
地域でのお産を支援するグループの女性は、産科医師不足のため故郷で子供を産む里帰り出産が困難になっている現状を訴えた。一方、同市立病院の医師からは「産科についてはわずか数カ月先のめどがつかない」といった医療現場が抱える現状が説明された。
これらの意見に対して舛添厚労相は「国の予算も限られできることも限られる。しかし、産科医の問題は地域社会の崩壊につながる。緊急性を持ってやりたい」と述べた。【仲村隆】
毎日新聞 2008年1月20日