危篤でないが他病院から拒否、やむなく搬送2割強──泉佐野の救命センター、府が対策会議2008/01/19配信
危篤患者を扱う「大阪府立泉州救命救急センター」(泉佐野市)に昨年9―12月に運ばれた患者の少なくとも2割強が、他の病院に受け入れを拒否されていたことが、18日分かった。危篤でなかったが、搬送先が見つからずにやむなく運び込まれたとみられ、20病院に拒否されたケースも。各地で相次ぐ急患拒否は救急医療の根幹を揺るがす問題で、府は搬送条件の緩和などの対策を検討する。
大阪府下では、富田林市や河南町で病院をたらい回しされた患者が死亡していたことが相次いで発覚した。府は18日、府内の消防本部や救命救急センターの担当者を集め、初の対策会議を開催。その席上、府立泉州救命救急センターの集計データが公表された。 救急隊員への聞き取り調査の結果、昨年9―12月に受け入れた患者の中で搬送経緯が判明したのは約6割の196人。うち71人は他の病院に1回以上、拒否されており、少なくとも全体の2割強に上る。 病院数は延べ290に上り、拒否の理由で最も多かったのが「治療中で手が離せなかった」(27%)で、「満床」(24%)、「処置が困難」(16%)、「専門外」(9%)の順。 196人全体で見ると、119番してから同センターで受け入れを決めるまでの所要時間は平均6.2分だが、71人に限ると、平均時間は14.7分。延べ20病院に拒否された患者の場合、1時間かかった。 府内には、危篤患者を扱う「三次救急医療機関」がほかに9カ所あるが、この日の対策会議では、危篤でない患者がたらい回しの末に搬送されるケースが目立つとの報告があった。入院が必要な患者を扱う「二次救急医療機関」では、軽症患者が搬送されるケースも増えているという。
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