沖縄戦遺骨11柱収集/佐賀のNPO、糸満で活動
【糸満】戦没者の遺骨収集などのため来県している佐賀県のNPO法人「戦没者を慰霊し平和を守る会」の会員らは十九日、糸満市内の自然壕など市内三カ所で計十一柱分とみられる遺骨や遺品などを収集した。
ツアーは今回で四回目。沖縄側の会員を含め全国の二十代から八十代まで、四十四人が参加した。作業は三班に分かれ、糸満市大度の自然壕や原野、同市摩文仁の陣地壕で行われた。
同日午前からの作業で顎の骨や銃痕の残る頭蓋骨のほか、軍服のボタン、万年筆、眼鏡や歯ブラシなどの遺品も見つかった。参加者の中には若者も多く、初めて遺骨収集を体験する者もいた。
群馬県から初参加した嶋田一秀さん(31)は「沖縄戦から六十年以上たっているのに、少し足を踏み入れるだけで遺骨がこんなに出てくるとは」と驚いた表情で話した。
今回は身元に直接つながるような遺品は見つからなかったが、同会の塩川正隆副理事長は「戦争はまだ終わってないということを若い人たちにも伝えたい。今後も活動は続ける」と語った。
一行は二十日に市摩文仁の平和祈念公園内で慰霊式典を行う。