北川正恭(まさやす)・前三重県知事や東国原英夫・宮崎県知事らが発起人となり、次期衆院選に向けて脱中央集権や生活重視の政策論争を与野党に呼びかける運動組織が20日、旗揚げする。趣旨に賛同する国会議員のグループも来月に発足する予定で、分権改革推進の新たな拠点となりそうだ。
発足するのは「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」(略称・せんたく、代表発起人・北川氏)。政治改革や分権の推進に向け有識者らが提言などの活動をしている「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)が母体。
発起人には松沢成文・神奈川県知事、古川康・佐賀県知事、森民夫・新潟県長岡市長ら首長のほか、佐々木毅・学習院大教授、西尾勝・東京市政調査会理事長らが名を連ねる。
新組織は、次期衆院選を歴史的な政権選択選挙と位置づけ、「脱中央集権」「脱官僚主導」に向けた政策を自ら提言するとともに、社会保障制度や財源に関し具体的なマニフェスト(政権公約)を打ち出すよう政党に促す。関係者によると、「大連立」問題などの影響で政策論争が埋没することへの危機感が背景にあるという。
北川氏はかつて浅野史郎・前宮城県知事らと改革派知事連合を結成し、地方主導の改革を提唱した。知事やその経験者を中心に政策論議をリードしようという新たな試みと言える。
岩手県知事時代に北川氏らと行動を共にした増田寛也総務相は「政策を起点に選挙を戦い、国民の前に分権的社会の確立に向けたムーブメントを起こす発火点になる動き」とエールを送っている。【七井辰男】
毎日新聞 2008年1月19日 22時58分