医師確保策をめぐり市民や医療関係者から意見を聞く舛添厚労相=飯田市
閣僚が住民と意見交換する対話集会「大臣と語る希望と安心の国づくり」は19日、舛添要一厚生労働相が出席して飯田市の県飯田合同庁舎で開かれた。舛添厚労相は、産科をはじめとする医師確保対策について「対策のスピードを上げないといけない」と強調。終了後の記者会見では、政府が既に示した緊急医師確保対策に追加する形で、新たな対策を検討する考えを示した。
集会には市民や医療関係者120人余が出席し、母親や医師ら13人が発言。「この地域で出産ができなくなったら悲しい」「厚労省の対策は10年後に結果が出るような内容が多い。(病院としては)この4月をどう乗り切るかが心配だ」など、一層の医師確保策を求める意見が相次いだ。
これに対し、舛添厚労相は会見で「産科医不足が特に深刻」とした上で「地域社会の崩壊につながりかねず、政府として緊急事態との認識を持つ必要がある」と説明。「総理らと相談し、具体的な施策を取りまとめたい」と述べた。
政府・与党は昨年5月、医師不足地域への緊急的な医師派遣や、奨学金を活用した医師養成の推進、院内保育所など女性医師が働きやすい環境整備−など6項目の緊急医師確保対策を決めている。
舛添厚労相は対話集会に先立ち、医師不足により4月から里帰り出産受け入れを原則中止する飯田市立病院を視察。県や市、飯伊地区包括医療協議会などは、医師確保策や地域医療充実などを要望した。