医師不足で産科を休廃止する病院が相次ぐ中、愛媛県が4月に県立新居浜病院(新居浜市本郷3丁目、休診4科含め17診療科、339床)に産婦人科を新設する方針を固め、関係機関との最終調整を進めていることが19日までに分かった。休診中の麻酔科も再開させ、小児科医師も増員する。2月定例県議会に条例改正案を提出する予定。
複数の関係者によると、県は愛媛大医学部に医師派遣を依頼するなどし、産婦人科に医師を2人程度配置、現行で医師1人の小児科を3人程度に、常勤医不在の麻酔科を3人程度に増員する方向で協議している。地元医師会との調整も進める方針。
県立5病院では中央、今治、南宇和の3病院に産婦人科があり、三島病院は2004年度から休止中。県は新居浜病院を東予地域の県民医療の最重要拠点と位置付け、体制拡充を図ることにしたとみられる。
県によると07年9月現在、県内で産科を持つ医療機関は57施設あるが、分娩(ぶんべん)を扱う機関は42施設にまで減少し、9市町にはゼロ。東予の2次医療圏では▽宇摩1▽新居浜・西条9▽今治6―の16施設。07年度は西条市立周桑病院、宇和島徳洲会病院、市立大洲病院などが休止している。