頭が痛くなる言葉の一つに「偏差値」がある。偏差値を知らずに大学受験していた世代の一人としては、何度聞いても頭に入らない 一九四九(昭和二十四)年から三十年間、国立大学を一期校と二期校に分け入試が行われた。当時を振り返ると、試験日が違うため、二期校は一期校の滑り止めのような感覚があった。また、二期校は戦後設立された比較的新しい大学が多く、伝統の面などでも優劣を感じていたように思う。そんな格差の解消から共通一次やセンター試験が生まれた だが、受験生が伝統のある設備の整った大学を目指すのは当然だろう。格差解消と言うが、かえって偏差値で序列をつくり出している。入試はそもそも合格と不合格の格差をつけるものだ。二重三重の安全弁は必要だろうか。共通一次前は一発勝負の簡明さがあった 知人の大学生が、再び挑戦する。精神科医になる夢をかなえたいそうだ。希望の職業に向けて何を勉強するか、目的意識をしっかり持って受験するのは好感がもてる センター試験が始まった。大学は夢を実現する手段だ。受験生の夢は何だろう。夢すらもてないというのでは、寂しい。
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