子ども教育学部、国際環境経営学部、福祉のまちづくり学科、動物学科…。今年四月、岡山県内の大学に、これらの学部・学科が誕生します。
大学の魅力づくりの一環で、旧来の学部・学科を廃止して新たな名称で学生募集に乗り出すところが相次いでいます。全国では感性デザイン、未来創造、社会イノベーションなどのユニークな学部も登場し、学部の種類は四百近く、学科は約千八百に上るといいます。
選考方法も、一般入試に加えて推薦や、面接による人物重視のAO(アドミッション・オフィス)入試、私立大のセンター試験利用方式など多様化しています。
私が大学を受験した三十年前当時に比べ、受験生の選択の幅は大きく拡大。さらに、少子化に伴い全国の大学の総定員と志願者数が一致する「全入時代」の到来で、一部の難関校を除き、大学への入り口は広くなったといえます。
こんな時代だからこそ、受験に向かう心構えが問われます。最近の大学生像について、「以前に比べて大学に入学するためのハードルがぐっと下がったことで、大学進学への目的意識もぐっと下がっている」(「最高学府はバカだらけ」=光文社新書)との指摘もあります。
きょう十九日からセンター試験が始まり、今年の大学入試シーズンが本格化します。大学を取り巻く環境が様変わりする中、受験生の皆さんには「なぜ大学に行くのか」、「どの学部・学科で何を学びたいのか」を慎重に考えてほしいと思います。納得のいく大学選びを心がけてください。
(社会部・中田秀哉)