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庶民の街・・・府政の実像示せ若一光司さん57 作家大阪府出身。1983年「海に夜を重ねて」で文芸賞を受賞。著作に「大阪が首都でありえた日」など。
かつて大阪は、誰もが等しく庶民だったでしょ。「日本最大の村」というか。 ところが、長く続いた景気低迷と雇用の不安定化などで格差が広がって、今、16万もの世帯が生活保護を受けている。全国の都道府県で最も多い。大勢の人が、貧困と生活不安に直面しています。 全国学力テストで、大阪は下位に低迷しました。家計が苦しいと教育にカネを使えないわけで、世代間で貧困の連鎖が起きていることの表れだと感じています。離婚率も高いので、生活に安心感を失った子どもも少なくないはず。今ほど、こうした問題への取り組みが求められた時代はないと思います。 そのためには、府が財政の実態を明らかにし、いろんな事業の優先順位を付け、「これは必要」「こっちは、いらん」と徹底して選別することです。 ところが、最近、府が巨額の借金の返済を、借り換えで先送りする「赤字隠し」をしていたことが発覚しました。北海道の夕張市のように財政再建団体に転落するのを避けるためだと言うけど、納税者である府民への説明はなし。医者が病名を知らせなければ、患者はどこが悪いのかピンと来ないし、そもそも、治療が正しいのかどうかも確かめられません。 選挙戦では、生活を守るために何が必要かを、もっと論じてほしい。今度の知事にまず求めたいのは、府政の実像をありのまま開示することです。 大阪には、歴史的な経緯で多くの在日韓国・朝鮮人が暮らしています。数々の摩擦を乗り越えながら、同じ庶民として共生してきました。 国は、外国から看護師などを受け入れる準備を進めています。外国人にも地方行政に参加する道を開いたらどうでしょう。庶民の街、大阪の新たな魅力につながるのと違いますか。 (2008年01月19日 読売新聞)
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