【シカゴ=毛利靖子】製薬世界最大手の米ファイザーは18日、飲む禁煙薬「チャンティックス」を服用した患者がうつ状態になったり自殺したりする懸念があると警告した。米国で医師に配布する説明書にこうしたリスクを詳細に記載し、患者の行動をよく監視するよう呼びかける。日本でも「バレニクリン」の呼称で同薬の発売を計画している。
服用と精神疾患の因果関係は今のところ明らかではない。ただ服用後に興奮しやすくなったり自殺願望を抱いたりするなどの異常行動が相次いでいる。米食品医薬品局(FDA)も調査に乗り出しており、まず注意書きの表現を強めたうえで目立つようにする。
チャンティックスは2006年夏に米国で発売。ニコチンを含まない新しい型の飲む禁煙薬で、脳内の特定の受容体に結びついて喫煙と同様の状態をつくり、禁煙を助ける。医師の処方を受けると服用できる。07年7―9月期には世界売上高が前年同期比で7.3倍に急拡大している。(10:13)