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2008年 1月19日(土)

県内喫茶店 “嘆きの朝”

「モーニング」パン値上げで打撃 

写真:県内喫茶店 “嘆きの朝”
モーニングサービスなどメニューの一部値上げを知らせる張り紙=岐阜市中鶉、クルベットローズ 

 小麦や乳製品など原材料価格の高騰のあおりを受け、メニューの一部を値上げする喫茶店が出始めている。東海地方特有のコーヒーにトーストなどが付く「モーニングサービス」を提供している県内の各店では、特にパンの仕入れ価格の上昇が直撃。客離れを危惧(きぐ)する店では、値上げに踏み切れず悲鳴を上げている。

 岐阜市中鶉の喫茶店「クルベットローズ」は今月から、350円だったコーヒーを10年ぶりに50円値上げした。店内には値上げを知らせる張り紙。店によると、今月から食パンの仕入れ価格が1割以上高くなったほか、マヨネーズや油など食材全般が値上がりした。モーニングサービスの時間帯には、トーストかサンドイッチのほか、茶わん蒸しやサラダ、コロッケなどを付ける。蜂矢賢二店長(46)は「食パンの価格上昇が痛い。ぎりぎりの線でやってきたけれども、やむを得ない」と苦しい台所事情を打ち明ける。

 常連客らから目立った苦情はないというが、値上げ直前の昨年末は、10枚つづりのコーヒーチケットに“駆け込み需要”があった。週に1、2回店を訪れる60代男性は「(値段が)上がらないに越したことはないが、原材料が上がっているのならしょうがない」と話す。蜂矢店長は「値上げした分、手間をかけた品を出すことを心掛けるしかない」と言い、質を上げることで理解を求めている。

 同市加納龍興町で30年前から、夫婦で喫茶店を営む山田一郎さん(73)は「採算を度外視してやってきたけれど…」と嘆く。毎日午前7時から同11時までは、330円でコーヒー、ゆで卵、トーストをモーニングサービスとして出す。今のところ値上げはしていない。「近くでマンガ喫茶が約3年前にオープンして以来、客が流れているのに、値上げしてこれ以上客離れが起きたら」と、価格転嫁ができない状況に苦悩する。

 喫茶店に食材を卸す業者側も深刻だ。県内のあるパン製造業者は「製粉会社から買う小麦粉の価格が上がった以上、うちも上げないと赤字になる」と、今月から食パンの卸価格を約1割引き上げた。ガソリン価格高騰で輸送コストがかさむことも、業者にとって痛手。4月から小麦価格のさらなる上昇も予想され、「卸価格をもう1度上げざるを得ないかもしれない」という。

 昨年12月に県内25店舗を含む全店で、一部メニューを値上げした大手喫茶店チェーン・コメダ(名古屋市)の営業担当者によると「原材料価格の上昇は一時的なものでない」とみており、喫茶店業界は当面厳しい状況が続きそうだ。 

 食パンの価格高騰 農林水産省は国際市況の高騰を受けて昨年10月、輸入小麦の製粉会社への政府売り渡し価格を10%引き上げた。これを受け、製パン大手各社が相次いで食パンや菓子パンなど主要製品を値上げした。輸入小麦の4月の政府売り渡し価格改定時には20%から30%上昇する可能性もあり、パンやうどんなどの価格がさらに影響を受ける恐れがある。 

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