小麦などの原材料価格に加え、ガス、ガソリン代の高騰が価格に影響しているラーメン
|
ラーメン、うどんなどを扱う富山県内の麺類(めんるい)の飲食店やメーカーが、小麦
など原材料価格の高騰を受け、相次いで値上げに踏み切っている。県内は知る人ぞ知る「
ラーメン激戦区」だけに、中には客離れを心配して値段を据え置く店もあるが、今春には
麺の原料となる輸入小麦の追加値上げが行われる見通しで、商品を値上げする店はさらに
増えそうだ。
県麺類飲食業生活衛生同業組合によると、県内には組合加盟の約二百店と非加盟の約百
店の麺類の飲食店が営業している。うち組合加盟店の約半数が、昨年秋から順次、製品の
値上げを行ったという。
パスタ用を除く輸入小麦は、政府が買い上げて民間に売り渡している。麺類に用いられ
る豪州や北米産の輸入小麦一トンあたりの価格は昨年十月、一部産地での干ばつや、バイ
オ燃料作物への切り替えによる収量不足で、直近六カ月分の10%増となる五万二千―五
万三千円となった。それでも相場価格と相当な開きがあり、国は「四月に再度、値上げを
行うことになる」(農林水産省食糧貿易課)としている。
同組合の佐藤善政理事長が経営するラーメンチェーン店も、昨年十月に一杯三十―四十
円の値上げを行った。ガスやガソリンの燃料費に、トウモロコシなどの高騰も重なり、「
本当は値上げはしたくないが、我慢の限界を超えていた」と言う。
一方、ラーメンの価格を維持している富山市内の飲食店は「客足が流れてしまうのが怖
くて、値上げできない」とし、原価率が高い状態のまま営業を続けている。
氷見市内にある氷見うどんの製造メーカーは、四月の小麦再値上げ時の対応を決めかね
ている。海津屋は価格を変えていないが、「四月に値上げするかは検討中」とし、昨年十
月に15%値上げしたあけぼの庵は「包装紙やビニール袋の価格も上がっており、四月の
小麦再値上げは痛い」としながらも、価格は据え置く方針だ。県内最大手の製麺企業であ
る石川製麺(魚津市)は、値動きを見て値上げを検討する方針である。