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<ヒグマ>気圧が急激に降下しそうなときはご用心

1月19日19時42分配信 毎日新聞


 気圧が急激に降下しそうなときはヒグマにご用心−−。NPO法人日本ツキノワグマ研究所=広島県廿日市(はつかいち)市=が、過去37年間に起きたヒグマの人身事故(狩猟や駆除を除く)の発生時と気圧との関係を調べたところ、発生の翌日ごろから気圧が急激に降下していることが分かった。人間も気圧の低下で耳の疾患が増える傾向があるが、ヒグマにも似た現象があるとみられる。

 同研究所によると、1970年以降に起きた人身事故31件のうち、32件で気圧低下の関係があった。事故の2日後までに気圧が4〜20ヘクトパスカル以上急激に落ちたケースが21例▽2日後までに2〜4ヘクトパスカル低下したのが4例▽前後10日間で低くなったケースが6例。

 北海道静内町で06年6月、山菜採りに出かけた53歳の男性が襲われて死亡した事故は、当日午後に大雨が降り、2日後から気圧が7〜8ヘクトパスカル下がった。

 同研究所の米田一彦理事長は「5月後半〜7月上旬にオスの攻撃性が高まるのは、交尾期であるほかに、気圧変化によるストレスも一因ではないか」とみている。同研究所は、98年ごろから出没数と駆除数が増加しているツキノワグマについても、気圧との相関関係のデータ収集を急いでいる。

 気圧と疾患の関係に詳しい札幌市の内科医、木下眞二さんの研究では、人間も気圧の谷を伴う低気圧が近付いた時、高血圧患者の最高血圧が通常より高まり脳出血の危険性が高まるという。今回の研究について「大変興味深い。人間の場合、その日の気圧ではなく翌日の気圧と血圧が密接に関係している。(ヒグマも)わずかな気圧変動を感知しているのかもしれない」と推測する。【本間浩昭】

最終更新:1月19日19時42分




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