インドの自動車メーカーが約二十八万円の超低価格車を開発、続いて日仏の企業が約三十三万円の車開発を宣言するなどインド市場の活発化が注目されている 折しも中印首脳会談が行われ、経済協力をうたったばかりか中国はインドの国連安保理常任理事国入り支持を表明、日本の理事国入りがいっそう不透明になった。ともに人口十億人以上の「人口大国」が「経済大国」に変身し始めているのである 日本国内に目を転じると、北陸の観光地でも台湾や韓国の観光客が目立ち、北海道では豪州のスキー客ばかりだという。それも金持ち層ではなく、普通の所得水準の人たちが気軽に日本へ来て遊ぶ時代になっているのである 日本や欧米の一部だけが豊かであればいいというのではない。が、所得配分の困難だったアジア諸国がこれほど急速に発展する姿は正直驚きである。相対的に日本の地位低下を認めざるを得ない 「没落」と言えば刺激的過ぎるが、日本人の生活の質は落ち、社会の荒廃も進んでいる。通常国会が始まった。日本低迷の原因をえぐりだし、新たな指針を示せと政治家に注文するのは、ない物ねだりだろうか。
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