信大病院(松本市)は18日、産科医に代わって助産師が健診や保健指導を行う「助産師外来」を2月1日から開設すると発表した。周辺病院の産科医不足などから同病院での出産件数が増加しており、開設で産科医の負担を減らし、より充実した妊婦のケアや待ち時間の解消が期待できるとしている。
同病院の出産取扱数は昨年が約500件で、今年は600件程度まで増える見通し。通常の妊婦診察時間は平均10分程度で、待ち時間は1−2時間という。記者会見した金井誠・医学部講師は「健診の一部を助産師が担うことで、産科医の対応業務が広がる。医師不足の代用策というより、安心したお産を提供する制度だ」と話した。
助産師外来は、同病院の産科を受診している人が対象。平均15回ある妊婦健診のうち3−4回を助産師が受け持つ。超音波診断(エコー)をしたり妊婦の不安や悩みを聞いたりして、1人に約30分かける予定。危険度の高い妊婦についても、産科医の診察前に助産師が相談や指導を行う。
信大医学部保健学科の教授ら助産師9人が担当。昨年11月から機器の扱いなど勉強会を開いてきた。助産師の1人の坂口けさみ・医学部教授は「出産への心構えや産後の体調管理など、医師とは異なる部分でサポートできるのが強み」とする。
同病院によると、県内では約10病院が同様の助産師外来を導入している。