宇宙から紙飛行機を投げ地球へと帰還させる計画が進行中 東京大学
東京大学で、宇宙ステーションで船外活動をする宇宙飛行士が紙飛行機を投げ、地球へと帰還させるという計画が進行している。紙飛行機に、耐熱性を高める液体を吹きつけ、装置にセット、マッハ7の風圧と熱を当てたが、紙飛行機は見事に耐えた。
2003年2月、スぺースシャトル「コロンビア号」が地球へと帰還する途中、空中分解し、7人が死亡する大惨事となった、
しかし、このとき、マニュアル類などの紙が、燃えずに残っていた。
東大航空宇宙工学の鈴木真二教授は「マニュアル類が、紙なんですけども、燃えずに残っていたという話をうかがって...」と話した。
機体温度が、およそ2,000度の高温に見舞われる中、なぜ紙のマニュアルは燃えなかったのか。
東京大学を中心に、宇宙ステーションで船外活動をする宇宙飛行士が紙飛行機を投げ、地球へと帰還させるという計画が進行している。
鈴木教授は「紙飛行機といえども、宇宙ステーションはマッハ20(音速の20倍)で回ってますから。初速は、マッハ20なんですね。それで、(最終的に)速度を落としてゼロにしなければいけないんですけども、フワフワしたものがゆっくり落ちていくわけですね」と話した。
紙飛行機には、市販の紙が使われるが、折るのはエキスパートが作成する。
日本折り紙ヒコーキ協会の岸浦武繁氏は「立体的に仕上げていくというところも難しいです」と話した。
減速効果が高まるように、立体的な折り方を開発。まさにシャトル型の紙飛行機ができあがった。
紙飛行機に触ってみると、普通の紙よりも固めだった。
さらに、紙飛行機の表面温度は、およそ200度になるため、耐熱性を高める特殊な液体を吹きつけて実験装置にセットした。
紙飛行機の大気圏突入時に想定される音速の7倍、マッハ7の風圧と熱に耐えられるのか。
実験の結果、紙飛行機は、マッハ7の高速気流に対し、特に破れたり燃えたりすることなく耐えていた。
風にさらされた瞬間、紙飛行機は大きくへこみ、別のカメラで見ると、すさまじい勢いの空気の流れが映っていた。
紙飛行機は、実験に耐え、見事帰還を果たした。
鈴木教授は「機体も無事でしたし、一安心というところですね」と話した。
また、日本折り紙ヒコーキ協会の戸田拓夫会長は「紙飛行機がどこに舞い降りてくるのかはわからないものですから、世界中の言葉を書いて、宇宙から最初に降りてきた紙飛行機ということで、みんなに見ていただきたいなと」と語った。