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メタボ不安が火災に影響?/小田原
- 社会
- 2008/01/11
中高年を中心に広がるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の不安-。この影響で少量の油しか使わない揚げ物調理の変化が、火災の危険を招いている。特に健康に良いとされる食用油は低温で発火するため取り扱いに注意を要する。小田原市では、食用油の加熱による火災が昨年末に四件相次ぎ、同市消防本部は「健康志向の高まりが火災につながることもある」として警鐘を鳴らしている。
同市で起きた食用油による四件の火災は昨年十一~十二月に起きた。いずれもぼや程度で鎮火したというが、市消防本部は「健康志向や核家族化の影響などで少量の油で調理する傾向がある。通常量と同じ感覚で目を離すと火災につながる」と指摘する。
百貨店やスーパーでは「コレステロールを下げる」「脂肪をつけにくい」と書かれた食用油を陳列。「一般サラダ油に比べて発火温度が二十度低め」「油は加熱しすぎると発煙、発火します」などと注意書きがある。
製造元の大手食品メーカーによると、発火温度が低いのは通常の油より成分の脂肪酸が少ないため。同社広報担当は「揚げる温度は発火温度の半分ほどなので極端に加熱しない限り問題ない」と話す一方、「少量の油で調理する場合は短時間で温度が上がるので特に注意して」とも言う。
小田原市内の百貨店で買い物をしていた主婦(49)は「具材を空気に触れさせながら揚げるとカラリと揚がって油の吸収も少ない。油も少量で済むから節約にもなる」と健康と財布に優しい揚げ物のコツを話す。
”メタボ”を気にして月に一度しか揚げ物を作らないという市内に住む主婦(75)も少量の油でいため揚げし、市内で長女(19)と二人暮らしの女性会社員(57)は、少しの油を注いだフライパンで手軽に揚げ物を作るという。
だが、健康へのひと工夫はあっても火災の危険と隣り合わせと警戒する声は、あまり聞こえてこない。同市消防本部は「台所から離れる際は火を消して」「各家庭に住宅用火災警報機を設置して」と呼び掛けている。
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