厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は18日、高齢者向けの入院施設「療養病床」の入院基本料を引き下げることなどを盛り込んだ08年度診療報酬改定骨子案をまとめた。
厚労省は06年2月、当時38万床あった療養病床を5年で15万床へ減らす方針を打ち出した。しかし、計画通り進んでおらず、近く目標値を下方修正する。削減方針自体は変更しないため、08年度改定でも引き続き療養病床を抱える医療機関の収入が減るようにし、病床数の削減を促す。
06年度改定では、療養病床入院患者を医療の必要度に応じてランク分けし、必要度を最低とみる「区分1」の入院基本料を約4割減の1日7640円に下げた。区分1の患者を多く抱える病院は経営が悪化し、患者を退院させる動きが出ており、日本医師会は「医療難民が発生する」と批判している。
こうした声に配慮し、18日の中医協では「区分1は配慮する」としたうえで全体の引き下げ方針を了承した。病院より高く設定されている診療所の再診料についても日医の強い反発により、「引き下げを検討する」としていた原案の表現を「病院と診療所の格差是正を検討する」に弱めた。【吉田啓志】
毎日新聞 2008年1月18日 18時00分