大砲としての役割が期待されるカブレラ=内藤絵美撮影 |
プロ野球は2月1日にキャンプインを控え、各球団の戦力補強も固まってきた。際立つのは、ラミレス(前ヤクルト)をはじめとする巨人の外国人補強だが、昨季最下位に甘んじた球団こそ戦力アップは急務。セ・リーグのヤクルトは俊足野手をその柱とする一方、パのオリックスはカブレラ(前西武)ら大砲を集めた。どちらの策が吉と出るのか。好対照の補強策をまとめた。【村田隆和、野上哲】
16勝で最多勝のグライシンガーに、セ新の年間204安打を放ったラミレスというエースと主軸が巨人へ移ったヤクルト。高田繁新監督が目指すのは「投手中心にしっかり守り、足を使う野球」だ。
西武へフリーエージェント(FA)移籍した石井一の人的補償で獲得した福地は、この2年間で53盗塁をマークした。高田監督が日本ハムのゼネラルマネジャー(GM)時代にドラフト指名した川島は内外野を守れ、俊足巧打が持ち味の3年目の若手だ。機動力を生かしたい高田監督の狙いがはっきり補強に表れている。
先発投手陣では、韓国の07年最優秀選手(MVP)のリオスにグライシンガーの穴を埋める活躍を期待するほか、押本、橋本ら先発・中継ぎとも可能な万能型選手を集め、駒不足を補う。
一方のオリックスは、清原、ローズ、ラロッカに続く中長距離砲の補強を今オフも重点とした。中村勝広球団本部長は「カブレラ、ローズで70本。ラロッカが入れば90本」と本塁打を皮算用する。02年以降、総得点は常に5位か6位だが、金子ら若手投手に成長の見通しがついただけに、確実に援護したい思いがにじむ。
大砲獲得は興行上の理由も大きい。浜中は阪神で人気の高い選手だったし、球団内部では「リードされた九回、先頭打者がカブレラやローズで、お客さんは帰らないでしょう」と期待を寄せる。
コリンズ監督は機動力を重視する姿勢を示しており、大砲を集める補強では、ちぐはぐな感もある。しかし、カブレラらの獲得は監督も同意のうえ。球団は8年連続Bクラス。補強のスタイルにこだわってはいられないのが実情のようだ。
|