日本の調査捕鯨船に進入した米環境保護団体のシーシェパードの男性活動家2人が、オーストラリア税関の巡視船から、シーシェパードの抗議船、スティーブ・アーウィン号に引き渡されました。 オーストラリア連邦政府は、今回の出来事に携わった人たちがどんな罪が適用しうるのか、もしくはしないのかを捜査する。 見出しは「シーシェパードは、南極海の捕鯨をとめた」
そして、オーストラリア通信(AAP)は事実関係をふまえたうえで、このように報じています。
http://news.theage.com.au/whalers-return-activists-chase-resumes/20080118-1mnk.html
解放されたオーストラリア人の活動家、ベンジャミン・ポッツ(28)が自国のラジオ局の取材に対し、こう話したそうです。
乗り込んで、拘束されたときに、「2人の男がわたしを肩に担ぎ上げ、(クジラの)射撃手がわたしの両足を持って海に落とそうとした。手すりにつかまって抵抗したところ、手を蹴られたが、海に落とされるのは免れた」
「最小限の英語しか話せない人物から、情報を少しずつ知らされた。解放されるまで暗い場所に閉じこめられていた。われわれの船やオーストラリア、英国両政府と連絡することは認められなかった」
そして、豪の連邦警察が捜査に入るとも。
オーストラリアのスミス外相は、「平和が最も大事なのだ」と言った。
「私は双方に自制と、法律を遵守するよう再度、うながしたい」
外相は、「もしだれかが、違法で非合法な活動に携わったのなら、大目に見ることはせず、強く非難する」
また、特派員を他の環境保護団体グリーンピースの抗議船に乗船させている英BBCではこのように報じていますね。
行き詰まり状態が長引びき、2人の活動家が戻らなかったら、シーシェパードは、戦闘スタイルの襲撃をやると脅していた。
日本政府は、オーストラリア政府に仲介を要請した形になりますが(皮肉にも、2人の活動家を運んだ豪の船も、国際司法裁判所に捕鯨の違法性を訴えるために、日本の活動の監視を行っています)、もし、こうした仲介がなければ、まさに南極海で「戦闘」が始まっていた可能性はあるでしょう。
彼らの抗議船には、悪臭弾、発煙筒やスクリューを壊すための網などの道具が積まれています。
そして、シーシェパードの公式HPでは、このように声明を出しています。
1月17日に出された第7報
これは、2人の活動家が第2勇新丸に拘束され、シーシェパードが日本側の再三にわたる引き渡し要請を、「テロリストグループと交渉するつもりはない」と拒否していたときに出た声明です。
スティーブ・アーウィン号に乗船しているポール・ワトソン船長はこのように述べた。
「日本の捕鯨活動のすべてがいま、中断に追い込まれている」
1月11日以来、1匹の鯨も殺されていない。日本の捕鯨船は、一週間まるまる活動をとめられている。
シーシェパードとグリーンピースが日本の捕鯨船を追尾する限り、彼らは捕鯨活動はできまい。
「私はグリーンピースがより協力的になってくれたらいいと希望する」。ポールワトソン船長はいう。「しかしながら、私たちは、今後も、グリーンピースが追尾している母船『日新丸』の座標について、情報を流し続ける。もし、私たちがグリーンピースと直接、活動ができなくても、間接的にかれらと協力していることになる」
最後の段落は、グリーンピースが戦闘的スタイルで妨害を続けるシーシェパードにたいして、「われわれはあくまで平和的手段をとる」と宣言して距離をとっていることに関しての、協力要請呼だと思います。
そして、1月18日の第8報
見出しは「日本の密漁船がシーシェパードの人質を解放した」
プレスリリースには、抗議船に帰還した2人の笑顔の写真が掲載されています。
2人は、再びシーシェパードの仲間の一員になれたことを喜んでおり、南極海での日本の捕鯨活動を追跡することを熱望している。彼らは、捕鯨船に乗船したときに、手荒くあつかわれた(roughed
唯一のけがは、イギリス人のジリスレーンが、手首にあざがあることだ。
捉えられていたオーストラリア人のベンジャミンポッツは言う。
「捕鯨者たちが、私たちを船に拘束しておくことで、対外関係において大きなミスをおかしていることに彼らが気づくまで、たいした時間はかからなかったね。私たちは、シーシェパードが違法な捕鯨活動を中断させていることに全力をあげてそそいでいることを、彼らにはっきりと自覚させたんだ」
レーンはこのようにはなす。「私たちの健康のために、人々が憂慮してくれたことには感謝しているけれども、重要なのは私たちのことではなく、残虐で違法な捕鯨をストップしたことを記憶にとどめることなんだ。私たちがうけた取り扱いは、日本人の捕鯨者に手に落ちたクジラたちがうける苦しみに比べると、取るに足らないこと。彼らは私たちを手荒くあつかったかもしれない。でも、クジラのように、銛をうたれて、感電死させたれ、バラバラに解体されることはされていない。これは、私たちのことではなく、クジラの話なんだ」
スティーブ・アーウィン号は、日本の捕鯨船の追跡を今後も続ける。ワトソン船長はこうはなす。「捕鯨が行われなくなって今日は8日目だ。捕鯨を止める日は、すべて私たちの勝利だ。私たちは今後も、いやがらをして、ブロックをしつづける、そして、機会があれば見逃さず、捕鯨者たちの邪魔に入ってやる」
ジリス・レーンのコメント
48時間の拘束のあと、私は再びキャプテンに迎えられ、スティーブアーウィンの一員に戻れたことを嬉しく思う。私は負傷していなし、再び、南極海の日本の捕鯨活動を妨害する用意ができている。リスクを犯したことの価値はあったし、日本人に違法捕鯨をしていることを知らせたことや私たちが第2勇新丸に乗船していたとき、捕鯨を止めさせることができたのも、価値がある。
ベンジャミン・ポッツのコメント
私は、仲間のクルーと一緒にスティーヴ・アーウィン号に戻れたことが嬉しい。何もかもがうまくいって、誰も傷ついておらず、南極海の捕鯨禁止エリアで行われている違法捕鯨の実態について、世界の注目を集められたことに成功した。これは喜ばしいことだ。
日本人に言いたい。私たちは、1人の人間としてあなたがたに対しては何も持っていない。私は日本の文化を楽しんでいる。しかし、賢くて絶滅の危機に瀕している海洋性ほ乳類の大殺戮は、あなたがたが絶滅に追い込む前にやめさせなくてはならない。
拙ブログでは、今後も、多くの方々に判断材料を提供するためにも、私見をなるべく抑え、淡々と伝えていきたいと思います。
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