不妊夫婦のために他の女性が夫婦の受精卵を妊娠・出産する代理出産について、日本学術会議の検討委員会が全面禁止を求める報告書案をまとめた。妊娠・出産に危険が伴うことや生まれてくる子への影響が科学的に解明されていないことから、「法律によって禁止する必要がある」とした。営利目的での実施については「処罰が必要」としている。18日に開かれる同委員会に示し、来月にも取りまとめる予定。
関係者によると、昨年末から委員の意向を集約したところ、「部分的に許容すべきだ」との意見もあったが、「禁止すべきだ」との意見が大勢を占めた。
一方、代理出産に関する科学的な研究について、国の厳重な管理のもとで試行的に実施する方法があると言及している。具体的な実施方法については国が検討し、20~30年にわたり、生まれた子の成長過程や出産した女性の健康状況について報告義務を課すなど慎重な検討を求める声も出ている。【永山悦子】
毎日新聞 2008年1月18日 2時30分