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2008年01月18日 生活設計塾クルー

「口を出すが、金は出さない」医療制度改革の実体

――世界有数の「日本の医療保険制度」を守ろう!

 公的医療保険は国民の負担する税や保険料で支えられています。保険医を名乗るからには、最新の治療法などをきちんとキャッチアップし、医療の品質を確保できている医師であるという保証を制度に組み込んでほしいものです。

 また保険診療に組み入れられている医療の中に、根拠の乏しい治療が混ざっていないかを精査する必要もありますし、多すぎる保険者を統合して財政基盤を強化したり、重複受診を抑制する手立てなど、取り組むべき課題は山積です。限られた財源ですから、壮大な無駄使いをする余裕はありません。

 一方、新たな治療法などを保険診療に組み入れるかどうかを評価する過程を、誰もが納得がいくように透明化することも必要です。有効性が認められている治療は早期に保険診療に収載する仕組みを作って欲しいものです。

 将来の医療費に対する不安から民間医療保険に加入する人は多いのですが、入院給付金を手にすることが目的ではなく、自分にあった適切な医療を受けたいというのが本来の目的のはずです。給付金は受け取ったけれど、肝心の医療が納得のいかないものだったということでは本末転倒です。安心して1人ひとりの生活設計ができるよう、医療従事者を守り、患者を守る、本当の意味の医療制度改革を切に望みます。

■今回の執筆者
内藤眞弓(ファイナンシャルプランナー)
日本女子大学英文学科卒業後、大手生命保険会社に勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。個人の相談業務を中心に、セミナーや講演、原稿執筆などを行う。「有事」に備えた「平時」の家計の危機管理術を提唱。

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執筆者プロフィル

生活設計塾クルー
特定の金融機関に属さない独立系ファイナンシャルプランナー集団。経験に裏打ちされた独自の視点で、一人ひとりの将来設計に応じた資産運用や保障設計のアドバイスを行なう。また、セミナーや執筆活動も幅広く展開。金融・経済、金融商品、社会保険等について中立の立場から情報を発信している。生活設計塾クルーのウェブサイト

この連載について

資産運用から保険、住宅ローン、年金まで、人生設計に必要なお金にまつわる情報をわかりやすく解説。独立系ファイナンシャルプランナーならではの「中立」な立場で語ります。

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