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医師の通勤ヘリコプターで 軽井沢町が医師確保で検討

1月18日(金)

 北佐久郡軽井沢町が町立軽井沢病院の医師確保策として、他の病院から医師をヘリコプターで送迎する準備を進めていることが17日、分かった。同病院は21日から医師派遣病院を公募する予定で、既に応募の意思を示している病院もあるという。実現すれば「医師のヘリコプター通勤」は全国初といい、早ければ4月から始める。

 軽井沢病院は昨年、内科常勤医3人が退職、外来診療と入院患者受け入れを一部制限している。計画によると、医師は1回の派遣で4日間から1週間程度の滞在勤務を想定。軽井沢消防署のヘリポートを発着に使い、通勤時間を大幅短縮する。

 昨年10月、公立病院の経営効率化などを検討する総務省の有識者懇談会で座長を務める長隆さんが町内で講演した際、町が対策を相談。医師派遣できる病院を探す一方、長さんが代表取締役を務める日本ヘリ共同運用機構(東京)に運航を委託すると決めた。

 費用積算はこれからだが、一般的に1日約20万円の費用が必要といい、町は、災害など予想できない経費を補う目的の特別交付税の措置を国に求める方針。総務省財政課は「申請があれば個別の事情として交付を検討したい」とする。

 軽井沢町は固定資産税収入が多く、地方交付税は交付されていない。佐藤雅義町長は「(特別交付税が)仮に認められなくても住民の安全確保のため、運航を前向きに考えていく」とし、町単独の負担も辞さない考えだ。

 長さんは、将来的にはNPO法人を設立して住民らから寄付金を募り、町のヘリ運航を支援する計画も示している。