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【岐阜】小児の夜間救急診療支援室を設置 中濃厚生病院、開業医協力で2008年1月18日 中濃厚生病院(関市若草通)は四月から、地元・武儀医師会の小児科、内科の開業医有志が、同病院で平日夜間の小児診療に協力する「夜間救急診療支援室」を設置する。特に来院の多い小児科で、待ち時間の短縮など円滑な対応を図るのが目的。同様の態勢は岐阜、大垣両市民病院で導入しているが、県厚生農業協同組合連合会(JA岐阜厚生連)が県内で展開する七病院では初めての試み。関市も二〇〇八年度予算で、支援室設置に伴う補助金を盛り込む意向だ。 中濃厚生病院小児科の一日の受診は、休日の日中でも四十人以上、夜間は二十人近い。この年末年始も、日中が約七十人、夜間でも十五人前後が受診している。常勤医は四月から一人増員のめどが立っているというが、現在は二人。小児科の当直ローテーションが組めないため、夜間は同科以外の医師が診療するなど、医師不足の厳しい状況は変わらない。 計画では、武儀医師会に加盟する関・美濃両市の開業医ら二十数人が、ローテーションを組み、自院の業務終了後、同院救命救急センターに設ける支援室に待機。午後八時から同十時ごろまで、小児救急診療に対応する。二月に数日間施行し、改善点などを検討。三月中に協力メンバーを固めたい意向だ。 中濃厚生病院はこれまで、救命救急センター長や小児科部長を中心に、当直勤務を行う小児科以外の医師らに対し、研修やマニュアルを通じて小児救急医療への協力を要請。病院全体で、小児救急医療を支えてきた。 しかし、来院者からは「待ち時間が長い」などの苦情や、「小児科医に診てもらいたい」との要望が出され、小児科医が休日出勤するなど負担が大きくなっていた。田中孜院長は、開業医の協力を求める今回の措置について「少しでも現状を改善し、住民に納得してもらえる診療を維持する窮余の策」と説明している。 (田中富隆)
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