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4増の13病院が赤字 山口県内市町公営病院決算 '08/1/17

 ▽外来患者は3.2%減

 山口県内の市町が設置する十六病院の二〇〇六度決算は、十三病院が赤字となった。前年度と比べて四病院増えた。累積赤字の総額は約百五十三億円となり、一九八八年度以降で最高となった。市町側は患者数の減少や医師不足による減収などが赤字の要因と分析。一層の経営努力を迫られている。

 県市町課のまとめでは、十六病院の経常損失は計十六億三千三百万円で、前年度より六億二千万円悪化した。

 新たに、下関市立中央病院と光市立光総合病院、周南市立新南陽市民病院、周防大島町立橘病院が赤字に転落した。単年度の赤字額の最多は山陽市民病院の三億二千九百万円。山陽市民病院は県内では唯一、当面の支払い能力を超えた借金である不良債務を九億四百万円抱えている。

 累積赤字の合計は、前年度の百四十二億九百万円に比べて十億円増加した。前年度はゼロだった周防大島町では、六千三百万円の赤字が発生した。十市町の一般会計からの病院事業会計への繰入総額は三十六億百万円。財政状況は厳しく、繰入額は前年度比で三億四千六百円減っている。

 各病院とも外部への業務委託、勤務手当の適正化、人員削減などコスト削減を進める。しかし、十六病院の外来の患者数は計約百二十二万二千人で前年比3・2%減。〇六年度の診療報酬の引き下げ、医師の減員に伴う収入減などで、収益が悪化している。

 光市は二病院の集約化の検討を進めている。また、山陽小野田市は本年度末の病院統合を計画している。

 全国的に自治体病院の経営は厳しく、総務省は昨年末、公立病院改革ガイドラインを示した。各自治体に対し、経常収支比率や病床の利用率など数値目標を義務付けた経営効率化の改革プランを策定するよう通知した。(高橋清子)

【写真説明】2006年度決算で、県内16病院で最多の赤字額を計上した山陽市民病院。3月末に小野田市民病院に統合される(山陽小野田市)




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