【ジュネーブ澤田克己】政府は17日、不発弾が市民に被害を与えているクラスター爆弾について、一部を除き禁止する方針を表明した。ジュネーブでの「特定通常兵器使用禁止制限条約」(CCW)専門家会合で明らかにした。政府は同爆弾への態度表明を留保してきたが、一部有志国が禁止条約作りを目指す「オスロ・プロセス」が進展し、方針転換を迫られたとみられる。
政府は「信頼性に欠けるクラスター爆弾」を禁止対象にし、新規開発生産を即時禁止▽猶予期間を設け、使用を限定▽猶予後に使用も禁止する−−方針を表明。CCWでも条約で合意するよう提案した。一方、自爆装置付きなど不発率の低い新型爆弾は容認する。
◇CCW専門会合での日本政府の発言要旨は次の通り。
クラスター爆弾の(不発弾による)人道問題に、安全保障とのバランスをとり対処することに同意する。「人道的な憂慮に対処できない」特定の種類の爆弾を禁止するのがバランスをとる方法だ。
一方、信頼性、正確性が高いクラスター爆弾は制限または禁止されるべきではない。信頼・正確性を高めるには、自爆装置付きの子爆弾を装着する▽不発率を低くする▽子爆弾数を制限する−−などの手段がある。
信頼・正確性に欠ける爆弾は制限・禁止されるべきで、それは次の方法による。
・新規の開発、生産、輸出入は即時禁止。
・猶予期間中は、保有爆弾の使用を必要不可欠な場合などに制限。
・猶予期間終了後は、使用も禁止する。
日本はCCWの新しい付属議定書としての国際条約作りを支持する。提案した方策は、新条約の主要部分を構成し、人道への懸念と、安全保障の要請とのバランスを両立させるものになり得る。
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