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中国 農民が「土地私有化」を宣言 WP紙報道
このニュースのトピックス:中国経済
【ワシントン=山本秀也】米紙ワシントン・ポスト(14日付)は、中国東北部の零細農民が、地元の役人に取り上げられた農地について、独断で再分配を図る「土地私有化」を宣言したことを現地ルポで伝えた。私有財産権の追認に踏み込んだ中国だが、土地の私有化は社会主義制度の根幹を揺るがすとして否定的な原則を貫いている。この動きが成功する可能性は薄いが、同紙は「農民から土地を取り上げる合法性はない」という衝撃的な農民の発言を伝えた。
この農民運動は、黒竜江省富錦市に属する長春嶺村で昨年末に始まった。問題の土地は、1990年代に地元の当局が農業会社に譲渡するとして、農民から取り上げたもので約1000平方キロもの面積という。
長春嶺発の同紙記事によれば、土地の再分配を検討したのは、この土地にかかわった周辺の約70カ村。12月19日の集会に集まった農民だけでも1000人を超えた。同紙に、農民らは「おれたちは命をかけている」としつつ、「なにが起きても、どんな代価を払ってでも土地を取り返す」と語っている。
インターネットを通じて発信された運動の「宣言」文書では、(1)土地の使用目的(2)土地運用益の獲得−などをそれぞれ「所有者の自由」とすることを明らかにしている。
中国農村部の土地制度は、革命により地主と小作農の関係が崩れた後、人民公社制に代表される土地の集団所有が基礎となってきた。農民には土地の私有が認められないなか、地元の役人による土地の実質的な強制収用が行われるといった事態が続いていた。