【ニューヨーク=財満大介】米証券大手メリルリンチは17日発表した10―12月期決算で、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題による有価証券の評価損として115億ドル(約1兆2000億円)を計上したことを明らかにした。最終損益は98億3300万ドル(1兆500億円)の赤字で、7―9月期に続いて2・四半期連続となる。前年同期は23億ドルの黒字だった。
損失は債務担保証券(CDO)や住宅ローン担保証券(RMBS)の価格下落分。投資家への販売用や自己投資などで保有していたが、信用市場の混乱で買い手が付かないまま、価値が急落した。ほかにも高リスクのファンドや企業向け融資などで損失が膨らみ、関連損失の合計は150億ドル超になったもようだ。
メリルリンチは7―9月期にも有価証券の評価損などで約89億ドルを計上している。07年7―12月の半年間の損失額は約240億ドルとなり、証券会社では最大。欧米金融機関でも米大手銀シティグループに次ぐ大きさとなった。
(17日 22:47)