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大阪府の救急搬送、拒否5回以上3700件超

 救急病院の患者受け入れ拒否が問題になっている大阪府内で、病院が消防機関からの要請を5回以上断ったケースは、昨年1年間に少なくとも3700件にのぼることが読売新聞の調査でわかった。救急搬送の約50件に1件の割合で、最も多い東大阪市消防局は1200件を超えていた。府と府医師会は18日に緊急会議を開き、府内で常態化しつつある受け入れ拒否について検証を始める。

 府内に34ある消防機関に聞き取りした。昨年の統計がない大阪市や堺市などを除く23の消防機関で、昨年の総出動件数19万5785件のうち、受け入れを5回以上断られたケースは3761件(2%)だった。

 東大阪市は1235件(昨年11月末現在)で出動件数の5%。次いで吹田市消防本部の499件、茨木市消防本部の369件。10回以上の拒否は東大阪市で212件あり、10回以上のデータしか集計していない富田林市消防本部は123件だった。大阪市は2006年のデータだけをまとめており、20回以上要請したケースが104件あった。

 大半の消防機関は「満床を理由に断られることが多い」としており、泉佐野市消防本部は「消化器系など専門医が不在という理由も増えている」と説明。東大阪市消防局は「タクシー代わりに何度も救急車を呼ぶような住民の受け入れを拒まれるケースもある」として、モラルの低下を指摘する。

 府医療対策課は「認定基準を緩和し、救急病院の数を増やす方法もあるが、医療の質の維持が問題。府医師会とも連携を図り、対策を考えたい」としている。

2008年1月16日  読売新聞)

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