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デュオヒルズつくば竹園

県立こども病院 地域の医師と連携 医療資源活用モデルに |
2008/01/14(月) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁 |
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初期救急維持へ力
医師不足の影響で存続の危機に瀕した小児救急医療を守ろうと、水戸市の県立こども病院(土田昌宏院長)で地域連携が続いている。勤務医の退職で当直体制が崩壊寸前の事態に陥ったが、地元医師会などの呼び掛けに応じた地域の開業医や他病院の勤務医ら計十人が夜間・休日の勤務シフトを埋め、同病院の救急医療を懸命に維持。妊産婦の「たらい回し」問題などを受け県が救急医療のあり方の検討に乗り出す中、公立の拠点病院と地域の医師の連携は、限られた医療資源の有効活用に向けモデルケースとなりそうだ。
県立こども病院は本来、小児がんや症状の重い二次、三次救急など高度専門医療を扱い、原則的に紹介状のある患者のみ受け入れる。しかし、医療資源の乏しい県北・県央地域では、小児科診療が休日や夜間に全くの空白となる時間帯があるため、二〇〇四年八月から二十四時間三百六十五日体制で、症状の軽い初期救急患者の受け入れも始めた。
急患は一日平均十七・五人(〇六年度)。当直医は数時間仮眠した後、そのまま日勤に就くこともある。
ところが、全国的な医師不足のあおりを受けて本年度途中に医師三人が退職し、新生児集中治療室(NICU)などの担当医を除くと一般当直が可能な医師は六人に減った。このため、「初期救急だけでなく、本来担うべき二次、三次救急までつぶれたら大変」(県病院局)と、地元医師会などに協力要請。
現在、地域の開業医や他病院の医師ら十人の応援を得ており、初期救急も当初より規模を縮小しながらも、昨年十一月から水曜、金曜の午後十時半以降と休日に限って患者を受け入れている。当直には、水戸周辺だけでなく遠く北茨城市立総合病院の医師も参加している。
当直に参加する開業医の一人、水戸吉沢小児科(水戸市)の石井一仁院長(52)は「こども病院には難しい病気の子を何人もお願いしてきた。困っていると聞き、何とかしたかった。少しでも役に立ちたい」と、動機を語る。
患者はほとんどが初期で、入院患者は一晩に一人いるかどうかだが、初期救急の必要性について医師たちは「どこかがやらないといけない」と口をそろえる。
石井院長は「自分の子どもが発熱して不安に思わない親はいない。病院が開いているだけで安心感がある」。県小児科医会の渡部誠一会長は「予想できないことが急に起こり、進行が速いのが小児救急の特徴」と、強調する。
とはいえ、小児救急を取り巻く環境はやはり、厳しい。
水戸市内の小児科開業医の中で、石井院長の年齢は「下から三番目」。「皆さん協力したい気持ちは持っていても、(高齢化により)実際はなかなか難しいのではないか」と話す。
渡部会長は「地域連携は厚生労働省も推進しているが、なかなか広がらない。やはり、本県の小児科医不足が問題の根底にある」と、指摘する。
渡部会長が勤務する土浦協同病院(土浦市)でも〇四年から準夜帯救急に地元医師会が協力しており、渡部会長は「助かっているし、相互理解や病診連携の点でも有用」と、とらえる。
毎年インフルエンザの流行する冬場は特に患者が増え、小児科医の勤務環境が厳しくなる時期。土田院長は「地域の医師が協力してくれるのは非常にありがたい。医師が元通り確保できるまで、何とか持ちこたえたい」と話し、地域連携を支えに小児救急の“冬の時代”をしのぐ考えだ。
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【過去の出来事】
▼2003年 東京海上火災保険と日動火災海上保険が、04年中の合併で基本合意。 ▼1994年 ロサンゼルスなど米国カリフォルニア州南部で大地震。死者51人、負傷者約5400人の大惨事に。 ▼1987年 厚生省が神戸市の29歳の女性をエイズ患者と認定。日本では初の女性患者。
【昨年の紙面から】
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