病院生き残り、強みの充実がカギ

 日本病院事務研究会(会長=合羽井昭雄・永寿総合病院理事)は1月16日、定例の勉強会を開き、前回に引き続いて診療報酬分析研究所の帯谷隆所長がことし4月の診療報酬改定で、これまでに明らかになっている見直しの方向性や、それを踏まえて現時点で考えられる対応策などについて解説。自院の強みを充実する必要性などを訴えた。

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 帯谷氏はその中で、疾患別リハビリテーションの点数を一本化するため、昨年4月の再改定で導入された「逓減(ていげん)制」を撤廃する方向が示されている点について、仮に財政中立の観点から見直された場合、全体の点数を均一化することになるため、「点数の引き下げが始まる前にリハビリを終え、高い点数を算定している病院ではマイナスは避けられない」と指摘。リハビリの提供期間が短い病院ほどダメージは大きくなると見通した。

 一方、7対1入院基本料については、看護職員だけでなく医師の確保も求められるようになったため、算定可能な病院は「一部に限られる」と見通した。「特殊疾患療養病棟入院料」についても、算定対象から脳梗塞や脳出血の後遺症患者が除外された場合、算定できる病院は「相当減少する」とした。

 帯谷氏はまた、これらの方向性を踏まえて現時点で考えられる対応策にも言及した。急性期病院については、入院患者の早期退院と新規患者の獲得が同時に求められるため、亜急性期病棟や療養病棟などのある後方支援病院や、診療所との連携構築がカギになると指摘。連携構築の前提として、退院患者の容体改善などアウトカム面の実績もこれまで以上に求められるようになるとの見方を示した。

 一方、療養病棟に求められる要素としては▽急性期病院との連携構築による医療区分の高い患者の獲得 ▽入院患者の居宅などへの復帰率向上――などを挙げ、医療区分の高い重症患者が確保できない場合は、「転換型老健施設」への移行も視野に入れるよう提案した。一般病棟と療養病棟を併せ持つケアミックス型の病院については「一般から療養病棟にどれだけの患者を移行できるかがポイントになる」とした。

 帯谷氏は「患者さんを集めるには自院で何か目玉をつくるほかない。今からでもつくらないと経営がもたなくなる」と述べ、強みを充実させる重要性を強調。その前段階として自院の機能を把握するため、「診療科ごとに治療をどのステージまでカバーするのかを確認することが大切だ」と述べた。


更新:2008/01/17   キャリアブレイン

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