諏訪広域消防本部は16日までに、昨年1年間の諏訪地方6市町村の火災、救急、救助出動状況をまとめた。それによると、救急出動件数は本部創設以来最多の7254件(7182人)。急病と一般負傷による搬送件数増が、全体数を押し上げた格好になっている。火災発生件数は、平均値より8件少ない108件だった。
同本部が設置された1999年の救急出動件数は5592件。8年間で1662件増えた。昨年は諏訪市や下諏訪町、原村で前年に比べて減少したものの、岡谷市で67件、茅野市で8件、富士見町で46件増え、全体として最多出動件数を記録した。
内訳で全体の約6割を占める急病搬送数は4398件(前年比81件増)で、一般負傷は1091件(同88件増)だった。中には比較的軽度の症状で救急車を呼ぶケースもあり、同本部は「救急車の適正利用の呼び掛けや応急手当講習に力を入れ、救急に対する知識を浸透させたい」としている。
救助件数は113件で、前年に比べて59件減った。2006年に49件だった自然災害がゼロ件になり、同本部は平成18年7月豪雨災害の影響とみている。
火災発生件数は108件で、前年比では1件の微増。ガスコンロの消し忘れや春先のたき火などによる失火が目立ったため、同本部は改正消防法で来年六月までに全住宅への取り付けが義務化された住宅用火災警報器の設置を重点的に呼び掛け、火災の早期発見につなげたい考え。
全国的に社会問題化している救急患者の”たらい回し”に関しては「諏訪地方の病院は受け入れに積極的。諏訪日赤病院に救急救命センターがあることもあり、諏訪地方にそうした事例はない」(同本部)という。