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圧力制御弁

圧力制御弁とはポンプからの吐出圧を調整したり2次的に発生した圧力を逃がし機械的損傷を防ぐ目的に使用されるいいわゆる安全弁的な機器です。またアクチュエーターのトルク=推力を決定させる重要な働きをもっています。

  1. リリーフ弁(安全弁)
  2. 減圧弁
  3. シーケンス弁、アンロード弁、カウンターバランス弁
  4. ブレーキ弁
  5. バランシング弁

上記のような多くの機器がありますが基本的にはある一定の圧力に達すると圧力を逃がしたり2次側への流出を阻止する機構を備えています。

エアーの場合は余剰圧力は大気開放し油圧の場合は配管でタンクに戻ります。

リリーフ弁

リリーフ弁は主にメイン配管の圧力設定用として使われています。また異常な圧力で配管破裂や電動機の焼損機械的な破損を防止する目的に使用される場合は特に安全弁と呼び方を変える時があります。多くはバネの力により通常は弁を閉じていますが圧力の上昇によりバネの力以上の圧力が掛かると圧力を逃がします。

また、直動型とバランスピストント型の2種類が利用されます。直動側はバネが比較的大きくなり大流量には不向きですが構造が簡単なため追従性がよく文字通り安全弁として利用されています。

バランスピストン型は若干複雑な構造ですがバネが小さくまた圧力オーバーライド特性が高いためチャタリングを起こしにくく広く利用されています。

    解説(上図onボタンを押すと一連の動作を順次説明します)

  1. 固定容量型のポンプを使用する場合はその構造上必ず付属します。
  2. 機器の保護用として異常な圧力で設定する場合は安全弁。常時圧力内で制御するために利用する場合はリリーフ弁と呼びます。
  3. 主にアクチュエーターのトルク=推力調整用のバルブです。

減圧弁

減圧弁とはメイン配管内で部分的に低圧で使用する場合に利用されています。たとえばクランプや排出用のシリンダーなどです。メインのシリンダーは高圧で利用し枝配管は低圧で使用できます。このバルブは通常1次側2次側とも開放していますが設定以上の圧力が掛かると2次側への供給を停止することにより2次側の圧力上昇を防ぎます。

こちらも直動型とバランスピストン型の2種類があります。長所短所はリリーフ弁と同等です。

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  1. 主系統が1つで2つ以上のアクチュエーターへの配分圧力が違う場合は必ず使用します。
  2. 双方向に流体が流れる場合にはチェック弁付の減圧弁を利用します。
  3. バランスピストン型減圧弁には余剰圧力を逃がす為のドレンがあります空気圧の場合は大気開放。液体の場合は配管で戻します。

シーケンス弁/カウンターバランス弁/アンロード弁

構造的にはほぼリリーフ弁と同一です。回路内の配置(利用方法の違い)により名称が異なっています。リリープ弁との大きな違いは、パイロットポートがありパイロット圧を入れることにより一次側から2次側へ流体を流す構造になっているものがあることです。

このようにパイロットポートから信号を入れ切換える機能を外部パイロットといいます。また弁の内部で切り替えるものは内部パイロットといいます。

シーケンス弁は設定圧力に達すると2次側に開放させ順次動作させるための弁です。多くはチェック弁付きで逆方向は自由に流れます。

カウンターバランス弁は流体に高圧を掛ける事により負荷をかけるための弁です。こちらも両方向に流体が流れるためにチェック弁付が一般的です。

アンロード弁とはアクチュエーターの動作が無い時に意識的に流体の圧力を下げほぼ無負荷で流体を流すことによりエネルギー消費を押さえる弁です。

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  1. シーケンス弁/カウンターバランス弁は直動型が一般的です。
  2. アンロード弁はリリーフ弁同様バランスピストン型が一般的で配置もほぼリリーフ弁と同じ所に設置するため両方を兼ね備えたアンロードリリーフ弁もあります

ブレーキ弁

構造はこちらもリリーフ弁と同様です。利用方法のによりチェック弁がついている場合が多いです。

アクチュエーター停止させる時その慣性力が配管内部で高圧になるのを防ぎ緩やかな減速を行う弁です。また慣性によりアクチュエーターの前の配管内は負圧になるのを防ぐような構造になっています。

  1. 制御機器の発達により近年あまり利用されていません。 

バランシング弁

一次側がリリーフ弁逆方向は減圧弁のような構造の弁です。

重量物のバランスを保ち比較的小さなちからで仕事をする場合に利用します。マシニングセンターのバランス回路などで広く利用されています。

  1. 一次側が減圧弁弁逆方向カウンターバランス弁として機能します。 

選定に関しては別項の選定や回路設計を参照ください。ただ、圧力に関する機器は主にアクチュエーターの力を制御させる機器か機械の負荷を和らげるモノと思ってください。

ここに紹介した機器は安全に直結しますので選定取り付けには特に注意してください。

回路にもよりますが機器交換の時は特に事故がおきる可能性が高まります。圧力調整を最低にし圧力を序々に上げる等、未然に事故を防ぐ様注意してください。