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◆全国高校サッカー選手権準決勝 藤枝東1―0 高川学園(6日、国立競技場) 藤枝東(静岡)はFW河井陽介(3年)の4戦連続ゴールを守り切り、37年ぶり優勝に王手をかけた。
前半11分、ペナルティーエリア内に、藤枝東MF河井は絶好のタイミングで走り込んだ。FW松田がDF陣に囲まれながらも必死に落としたボールを「思い切り打つことだけを考えていた」。右足でダイレクトシュート。ゴール左隅にたたき込んだ。4戦連発のすべてが先制点、しかも前半25分以内。エースのゴールがチームに流れを呼び、古豪を34大会ぶりの決勝へ導いた。
163センチと小柄だが、卓越したボールコントロールと戦術眼、豊富な運動量で攻撃陣を引っ張る。県内有数の進学校の中でも成績はトップクラス。指定校推薦で慶大進学が決まっている。その頭脳で2つも3つも先を読み“キラーパス”を繰り出す。藤枝東FC時代から6年間、河井を指導する滝利明コーチは(53)は「指導者が示す手本を見て、すぐに覚える」。パス出しのタイミングなど、すぐ自分のものにする才能に驚嘆する。
天才肌の才能をいかんなく発揮し、県大会ではMVP、アシスト王、ベストイレブンの個人3賞を獲得した。ただ普段は司令塔だが、今大会の河井は流経大柏FW大前と得点王争いを演じている。「変わったという意識はないけど、県大会からシュートで終わることを意識している」と話しながらも、「(大前の得点王を)阻止できたらうれしいけど、チームが勝つことが大事」とあくまで日本一が最優先だ。
決勝の相手・全日本ユース王者の流経大柏には今季、練習試合を含め3戦全敗。高校総体3回戦では、カウンター一発で沈み、大きな屈辱を味わった。それだけに今回にかける思いは強い。サッカー王国同士の対決。「総体(市船橋が優勝)も高円宮杯(全日本ユース)も千葉に持っていかれてるんで、選手権のタイトルは静岡に持って帰りたい」と意気込む。王国は2つもいらない。静岡勢では12年ぶり、藤枝東では37大会ぶり5回目の頂点に輝き、真の王国は静岡だということを証明する。
(2008年1月7日06時01分 スポーツ報知)