日本の地上波テレビの没落
日本の若者たちがテレビから遠ざかる現象が深刻化し、テレビの視聴率が急落している。日本のメディアはこれを「テレビ離れ」と表現し、「狭まる包囲網」「テレビ局の崩壊」などとして、危機意識を煽っている。
朝日新聞によると、昨年の日本の地上波テレビ番組で、最高視聴率が40%を超えたものは一つもなかったという。また、30%を超えたのも7回に過ぎなかった。30%以上の視聴率を記録した回数が一ケタにとどまったのは史上初めてのことだ。同紙は「地上波放送の黄金時代だった1979年には、最高視聴率が30%を超えた回数は1864回に上った」と報じた。一方、ゴールデンタイム(夜7時から9時ごろ)の全世帯の視聴率(テレビを視聴する世帯が全世帯に占める比率)も、この20年で6%下がった。
日本のテレビの没落を象徴するのが、ゴールデンタイムのシンボルだったプロ野球の巨人戦ナイター中継と、大晦日のNHK紅白歌合戦の視聴率低下だ。視聴率調査会社「ビデオリサーチ」によると、79年に77%だった紅白歌合戦の視聴率は、昨年には史上2番目に低い39.5%にとどまった。また、99年に20.3%だった巨人戦ナイター中継の視聴率も、昨年には9.6%となり、初めて一ケタを記録した。
日本のメディアは「若者がテレビに興味を示さなくなったこと」を最大の原因に挙げている。経済誌『週刊ダイヤモンド』が昨年6月に行ったアンケート調査では、「最近、テレビがつまらなくなった」という回答が49.8%もあった。また、朝日新聞が昨年9月に行った調査では、20‐34歳の回答者の49%が「テレビを見る時間が減った」と答え、そのうちの70%が「つまらない」ことを理由に挙げた。
これについて日本経済新聞は、人材やコンテンツの不足、財源の問題などで番組が粗雑になったことに加え、ゲーム、インターネット、携帯電話、ケーブルテレビなど、若者が興味を感じるアイテムやメディアが急速に普及したため、と分析した。また、テレビをつけたままゲームをすることが多いため、テレビを見る時間とは関係なく、テレビの影響力が低下していることも、大きな時代の変化として指摘されている。なお、日本では2000年代に入り、全国的に話題になるようなドラマや歌番組は珍しくなった。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
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