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【社会】

PAC3車両、都心へ… 候補地・新宿御苑でミサイル迎撃調査

2008年1月15日 夕刊

地対空誘導弾パトリオットの発射候補地で、アンテナを立て調査をする自衛隊員=14日夜、東京都新宿区の新宿御苑で(河口貞史撮影)

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 防衛省は、弾道ミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の発射地点として適しているかを確認する実地調査を、十四日夜から十五日午前にかけ、候補地の一つになっている新宿御苑(東京都新宿区)で実施した。PAC3関連車両を都心に移動展開させた実地調査を自衛隊施設以外で行ったのは初めて。

 今回は、通信テストや測量が中心で、ミサイルそのものや発射装置などは搬入されなかったが、新宿のビル街の夜景が間近に広がる閉園後の御苑内はものものしい空気に包まれた。

 PAC3は昨年三月、初めて埼玉県の航空自衛隊入間基地に配備された。移動式で防御範囲は直径五十キロ。飛来する弾道ミサイルを洋上のイージス護衛艦に搭載したSM3ミサイルで撃ち漏らした場合に、PAC3で迎撃する。

 新宿御苑が閉園して一般利用者がいなくなった午後八時すぎ、警察官が警備する中、アンテナを搭載した車両と無線中継装置車などが普段は閉鎖されている正門から御苑内に静かに進入。

 バラ園近くの広場で、高さ約三十メートルのアンテナ二本を、地面に打ち込んだワイヤで補強しながら一時間近くかけて設置した。

 御苑内での調査は十五日午前十時ごろまで続けられた。

 防衛省ではPAC3の“発射候補地”として今後、都内の国有地や公有地の調査を進める。

 PAC3は昨年十一月には習志野基地にも配備され、近く霞ケ浦(茨城県土浦市)、武山(神奈川県横須賀市)に配備される。

 

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