メルセデス280SLをお預かりしました。
すごく綺麗なお車で、さすがに見てるだけで嬉しくなりますね。
もちろんイベント中の無料点検も一通りさせていただきました。
エンジンが1気筒ミスしている状態でしたので、原因を調べるために少し
エンジン調整させていただきました。
今回はその調整内容をちょっとご紹介します。
M130
エンジン メカニカルポンプ式インジェクションです。
まずは何番がミスファイヤしているか調べます。
いろいろ方法はありますが完全に点火していない状態でしたので、プラグの焼け具合を見れば判断できるでしょう。
この2本のプラグの焼け具合を比較してみてください。
右側がミスしていた気筒のプラグですが、中心電極の碍子(がいし)部分が左に比べて真っ黒になっていますね。
ガソリンで濡れるまでにはなっていませんから、時々は燃焼しているだろうことがわかります。
おそらく電流は電極間を放電せずに、この黒くなったカーボンの上を流れてしまっているのでしょう。カーボンは電気を通しやすいですから。
左のプラグの焼け具合を見ると碍子は茶色く焼けてはいますが、アース側電極周りが黒くなっているので燃料が濃いであろうことがわかります。
このプラグをこのまま取り付けるとまたカーボンの上を電気が流れてしまいますので、ワイヤーブラシなどでクリーニングしてから取り付けます。・・当たり前ですね(笑
ガソリンでベタベタに濡れているようならクリーニングしてもだめですから、ガスコンロなどで少し焼いてやるといいでしょう。(このとき赤い炎がでているときはガソリンが燃えているということですね)
ここでもう一度プラグの写真を見てください。
右側のプラグのギャップを少しだけ狭くしています。
これは燃料が濃くてかぶってしまっている時の応急処置として、電極間に放電しやすくしてやるためです。
以前にお話したプラグギャップを広くするのと反対ですね。
混合気が濃い状態では小さな火花でも燃焼しやすいからです。
http://diewerke.blog87.fc2.com/blog-date-20070105.htmlエンジンをかけてみます。
ブスブスしてますがなんとか全気筒燃焼しているようです。
さてここでCOテスターを使わずに燃料の濃さを調べる方法です。
(今はプラグから燃料が濃いとわかっていますが、わからないものとして説明します)
まずインジェクションポンプの上のスロットルリンケージを外します。
ポンプ側のリンケージをゆっくり押し下げます。
これは燃料だけを多くしてやってますから、これでアイドリングが高くなればリンケージが付いている状態では、燃料が薄いということですね。
今度は逆にスロットルバルブ側のリンケージを押し下げます。
これは空気だけを多くしてやっているので、これでアイドリングが高くなれば燃料が濃いということです。
この時期の
エンジンでは理想空燃比というものにこだわると調子が悪くなってしまいますので(一概には言えませんが)ここではどちらの動作をしてもあまりアイドリングが変わらないようにポンプのミクスチャーを調整してやります。
通常なら排気ガスのCO濃度は4.0%前後になっているはずです。
(注)これでは車検で通らないかもしれませんから、もし車検前ならばもう少し燃料を薄くしてください。車検対策は他にも方法がありますが、またの機会に紹介しましょう(^^)
長くなってしまいました・・インジェクションポンプのミクスチャーの調整は次回のお楽しみにしま〜す(^^)/