【北京16日共同】16日の中国英字紙、チャイナ・デーリーによると、中国沿海部の上海、天津などの大都市で、地球温暖化などのため過去約30年間に海面の高さが場所によっては約20センチ上昇したことが国家海洋局の統計調査で分かった。
海洋局は、世界平均の上昇率を大きく上回っているとする一方、今後10年で沿海部の海面はさらに3・2センチ上がると予測。上昇傾向を食い止めるのは困難とし、沿海部当局が対策を取るよう呼び掛けている。海面上昇の累次統計を海洋局が発表したのは初めて。
海洋局によると、天津は過去30年に19・6センチ、上海では11・5センチ海面が上昇。全国平均では9センチ上がり、沿岸の気温は0・9度上昇した。
地球温暖化が海面上昇の主な原因だが、上海と天津では地下水の「無秩序な取水」による地盤沈下も原因。海面上昇は両都市で洪水の危険性を高め、上海では約2000万人の住民の飲み水に海水が混じり、健康不安の原因となっている。