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婚外子が初めて半数超える フランス、法制度も後押し

2008年01月16日20時14分

 フランスで昨年生まれた子どものうち、婚外子の割合が50.5%と初めて半数を超えたことが、仏国立統計経済研究所が15日に公表した人口統計で分かった。結婚に縛られない自由な男女関係を望む風潮を、法制度が後押ししてきた背景がある。

 統計によると、昨年生まれた子どもは81万6500人で、83万人を超えた06年を約1.7%下回ったものの、昨年の結婚件数は26万6500件と前年より約2.8%も減少。その結果、婚姻関係にある男女間に生まれた子どもが半数を切った。

 フランスでは年間に生まれる子どもの数は04年以来、80万人を超える水準を保っているが、結婚件数は30万件を切った01年以降、減少傾向が著しい。

 10年前には4割に満たなかった婚外子が大幅に増えた背景には、共同生活を営んでいれば結婚とほぼ同等の法的権利を与えるPACS(連帯市民協約)を盛り込んだ法律が99年に施行されたことがある。昨年の大統領選で敗れた社会党のロワイヤル元環境相も党首のオランド第1書記との間に4人の子どもがいるが、PACSによる関係を続けていた。

 また、70年代から親の婚姻関係の有無に関係なく同じ権利が子どもに与えられるようになり、婚外子かどうかの法律上の区別も今ではなくなっていることも要因だ。

 一方、1人の女性が一生に産む子供の数である合計特殊出生率は1.98と06年の2.00からやや減ったが、欧州トップの座は守った。

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