もしも松井秀が「右打ち」で「高校から渡米」していたら…
見慣れたスイングだが…。「右打者のゴジラ」。たしかに見てみたい
例年通り、年末年始を故郷の石川・能美市で過ごした松井秀は、実家近くの温泉地で家族とともに新年を迎えた。「初夢は見たかもしれないけれど覚えていないなあ」と首をかしげるゴジラから昨年、別の夢の話を聞いたのを思いだした。
「おれ、野球に関してもしも…だったらと思うことが2つあるんだよね」。こう切り出した松井秀は「もし、右打者だったらおれはどうなっていたんだろって考えるんだ」と続けた。
元々は右利きで右打ち。だが子供時代にやった“三角ベース”であまりにも打ち過ぎる、という理由で友人に無理やり左打ちに変えさせられてから、現在に至るまでずっと左手の使い方に悩んできた。
「どうしても利き手ではない左が弱い。右打者でうまくいく保証はないけれど、あれこれ考えずに使えるし、力もある。左よりいいバッターになっていたかも…」
確かに打撃練習中、たまに見せる右打ちでは左に負けないくらい強い打球を飛ばす。だが、私の「今からでも右に変えたら?」という言葉は軽く受け流され、2つ目の夢を語り始めた。
「高校からアメリカに来ていたらどうだったかな、とも思うんだ。おれがプロに入ったときはまだ、そんなこと夢にも思わなかったけれど、今の時代で高校生だったら真剣に考えたかもしれない」
その他大勢に埋もれてマイナー選手で終わったかもしれないし、すぐに順応して今よりもスケールの大きい打者になっていたかもしれない。どちらの夢の話も興味深かったが、まだ間に合うのは右打ちのゴジラ。本格的に試してみたらいいのに、と思うのは私だけだろうか。
(MLB担当・阿見俊輔)