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調査捕鯨船に侵入、米活動家2人拘束 南極海航行中

2008年01月16日01時36分

 水産庁に入った連絡によると、日本時間15日午後4時ごろ、南極海を調査捕鯨で航行中の日本鯨類研究所の捕獲調査船、第2勇新丸(747トン)が、捕鯨に反対する米国の環境保護団体「シー・シェパード」の船によって妨害を受けた。男2人が調査船に乗り込んだため、男2人を不法侵入の疑いで拘束した。水産庁によると、調査捕鯨を巡って妨害工作が身柄拘束に至ったのは87年の調査開始以来初で、豪州などで反捕鯨運動が高まる中、調査船が襲撃を受けて反捕鯨派を拘束する異例の事態となった。

 同庁遠洋課などによると、第2勇新丸は目視で発見した鯨を最終的に捕獲するための船で、約20人の乗員が船内にいたが、けが人はなく、拘束した男2人にもけがはないという。

 昨年11月中旬に日本を出航した調査捕鯨の船団は普段、調査母船と2隻の目視専門船、3隻の捕獲調査船の計6隻で航行。この日は母船が別の環境団体の船の追跡を受けて離れた海域に逃れ、計5隻で航行中だった。妨害工作の警戒にあたっていた第2勇新丸がシー・シェパードの船を発見し、おとりとなって、ほかの4隻を先に避難させたという。

 男2人は船からゴムボートに乗り換えて第2勇新丸に近づき、スクリューを狙ってロープを投げたり、液体入りの瓶を投げ入れたりした後、船内に侵入した。身柄拘束後は抵抗することなく、現在は船室で保護しているという。同庁によると、公海上で制止を振り切って日本国籍の船に侵入した場合は刑法の不法侵入罪にあたり、現行犯逮捕が可能だという。ロープ1本がスクリューに絡まったが、航行に異常はないという。

 シー・シェパードは昨年2月にも調査母船、日新丸にロープや瓶を投げるなどの妨害工作をしたほか、一昨年も補給船に衝突するなどの妨害工作をしているという。

    ◇

 米環境保護団体「シー・シェパード」は15日、南極海で同団体の活動家2人が日本の調査捕鯨船に「人質に取られた」と主張する声明をホームページ上に発表した。

 これによると、豪州人活動家(28)と英国人活動家(35)が、「捕鯨活動が違法であるというメッセージを渡すために」第2勇新丸に乗り込んだところ、乗組員によって「暴行を受けた上、レーダーのマストに縛り付けられた」と主張している。

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