[東京発] Naoki Ishihara's Blog : Crying over spilt java milk (chats)
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石原直樹
日本の Sun Microsystems で Java Technology Evangelist を名乗る。Evangelist としての Java 布教活動(?)の傍ら、JavaOne Japan/Tokyo, Java Technology Conference, Java Computing のような日本での Java イベントのコーディネートも手がける。現在の所属は、Sun Developer Connection. 前職は、Sun 社内の Java Lincensee Engineering チーム所属。その際に培った旧javasoft内での人脈は今でも財産。Sun 入社前は某電話系会社の研究開発部門に所属。
大学での専門は、貨幣論、ロシア経済、哲学など(のはず)。その他の興味は言語/言語学、文化人類学、現代思想など。基本的にエスニック文化に強い関心。趣味はスキューバダイビング(のはず)。


Avator

3D Duke Avator is provided by EitaroSoft
This Duke above is just animation gif but you can see the real 3D Duke in java applet in java.com
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20060904 2006年 9月 04日 月曜日
卒業
一週間前に英語のエントリで書いたとおり、Sun を退職しました。既にご存知の方も多いですかね。 会社は変わりますが、Java のファンであることは変わりませんし、気持ちはいつでも Java のエバンジェリストでいたいと思っております。 今度の会社も同じ業界ですので、これまでお付き合いのあった方もまた少し形は違うかもしれませんが、またお世話になると思います。 ともあれ、6年半という間、Sun ではエキサイティングでやりがいのある仕事をしてくることができました。これも社内外の皆様のおかげだと思っております。この場であつく御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

9月 04日 2006年, 12:00:00 午前 JST Permalink

20060829 2006年 8月 29日 火曜日
[private] moving on the new stage
As some people already know, I decided to leave Sun to pursue new challenges. I plan to keep supporting Java and Sun even after I leave. But it must be a bit different way. I really appreciate all Sun employees who makes my job exciting and kept giving me a lot of helps and also I can't express my big appreciation to big Java suppoters working with me. I know we have been achieving great stuff and still having new exciting activities. I'm pretty sure that Java will be more exciting and even more successful in future. Sun also. Thanks, everyone. I know the IT world is really small and we can meet each other in near future. see you. Naoki

8月 29日 2006年, 12:00:00 午前 JST Permalink

20060607 2006年 6月 07日 水曜日
Creating JUG in Japan

二年ほど前から Sun 社内、特に SDN チームと議論してきたことがあります。

「なぜ、日本には JUG (Java User Group)がないのか?」

原因を考えればいくつかのものがあげられます(政治的に微妙な理由も多いのであえてここでは書きませんが)。ただ、大事なのは原因を探求することではなく、ないなら作るべきか否かです。

IT産業が発達している世界中のほとんどの国や地域には JUG があります。
http://community.java.net/jugs/listing.csp
ブラジルの JUG は強力で、政治的な影響力すらあって、かの国で Java EE システムを普及させる原動力になっています。イタリアのJUGも活発なので有名ですし、韓国では近年、15ほどあったグループを統合して統一された JUG が誕生したそうです。今回の JavaOne では、その会長の Soo-Yeol Yang さんとお話させていただいたが、彼は韓国大統領と ITについて語り合ったこともあるそうです。その国での影響力の大きさを感じさせられる。先進国だけではなく、タイ、フィリピン、ハンガリー、スペイン、ベトナムにも JUG があります。

日本だけ JUG がないのは、本当に不思議な現象なのです。JUG はあくまでユーザ(開発者)の自発的団体であるべきです。Sun や他の企業が強引につくるものでもありません。US では、一部 JUG から Sun への強いプレッシャーがかかったこともありますが、それはある意味健全なことです。JUG はユーザ(開発者)を代表するものであって特定の企業の圧力団体であってはいけないからです。ユーザ/開発者が JUG を作りたいと思えば、できるものですし、必要ないと思えば誕生しません。ただ、もし日本に横断的な JUG ができるのであれば、それは、Sun として SDC として何らかの、無償のサポートをするべきだとは思っています。

現在、日本に JUG はありませんが、JUG に近いタイプのJava関係のグループはいくつもあります。それらが緩やかに連合する形で横断的な組織ができるのがとても自然かと思います。そして、この日本 JUG が受け皿になって、Java 開発者/ユーザが知識の共有を行い、互いに刺激しあえるのが理想です。 Java 技術が世の中に広がり、Java ME 分野で再びブレークの予感が出てきています。Java EE 5 もエンタープライズシステムでの Java の躍進を加速させそうです。日本国内でも、何らかの統一団体が欲しいという声もたびたび聞きます。今、国内で JUG を作るいいタイミングなのかもしれません。 JUG はあくまで自発的な団体ではありますが、その自発的な動きが起こるために何らかの行動をしてもいい時期かもしれません。

もし、日本の JUG 誕生に関して、ご意見があれば、ぜひこの Entry にコメントください。会長になって、小泉首相と語り合いたい、というご希望の方もどうぞ(笑)


6月 07日 2006年, 06:00:00 午後 JST Permalink

20060606 2006年 6月 06日 火曜日
Wanna have iPod Shuffle?

無料で iPod Shuffle をゲットしましょう!!

SDC の個人会員(登録無料)に申し込んで(新規登録のみ)、iPod Shuffle を GET しませんか?

先月から SDC で行っている新規登録キャンペーンは好評です。幸い、少し余分に予算もつきましたので、6月も新たにキャンペーンを行います。6月末までに登録された方の中から抽選で5名の方に iPod Shuffle をプレゼントします。 まだ、SDCの会員でない方はぜひお申し込みください。特に新入社員が身の回りにいらっしゃる方、その部署で一台狙ういいチャンスです。ご遠慮なくお声がけしてください。

ただし、あたった iPod Shuffle は先輩写真がもいただくべきなのか、新入社員の方がもらうべきかについては私ども、コメントを差し控えます(笑)。とりあえず、iPod Shuffle は登録された方にお送りいたします。


6月 06日 2006年, 11:02:00 午後 JST Permalink

20060605 2006年 6月 05日 月曜日
Thought on J2EE/Java EE Brand II

ただ、J2EE アプリケーションサーバーが普及していくなかで次第に明らかになってきたのは EJB とくに CMP が思ったほど活用されないということです。CMP に関しては当初のパフォーマンスの悪さや使い勝手の悪さが尾をひいて、実力よりはるかに低く評価されている感はぬぐえないのですが、ともあれ、利用される割合が少なかったのは J2EE を普及させる側からすると誤算には違いありませんでした。

多くの試行錯誤と改善の努力の末、今、J2EE (Java EE)に画期的な API が導入されました。それが New Java Persistence API (JSR-220, 以下 JPA) です。JPA は何より政治的に大きな意義をもつ API と私は考えています。隆盛なO-Rマッパを EJB の中に取り込んだこと、そして Java EE の一部として、つまり正当な標準技術としてお墨付きを与えたこと、そして何より大きいのは、EJB と切り離して、単独で存在することを許容したということ。
特に、最後の点、JPA が、単独で Java SE と組み合わせて使用できるようになることは何より大きい。これによって、Java エンタープライズシステムのアーキテクチャーのありようは大きく変動を迎えると私は考えています。

正統な技術としてデビューしたものの存在感が今ひとつだったEJBはこれで完全にプラットフォームの「内側」の技術になるでしょう。EJB そのものが消えるのでは、と考えるのは一面的過ぎます。当初の期待ほどではないにせよ、やはり EJB は使用されており、特にツールやミドルウェアが自動生成するコンポーネントとして EJB は優れています。BPEL エディタが吐き出すコンポーネントの多くは実は、MDB のような EJB であることが多いでしょう。自動生成される Web サービスの実態も、Statless Session Bean ということになるケースが多いでしょう。ただ、ポイントは、それはもはや一般の開発者の視点からは多い隠されてしまうということです。

言葉を変えていえば、EJB は、今後 API ではなく、SPI 的な存在に転化するだろう、ということです。そして、身軽になった Java EE の主な API はより上の層、Composite Applications に比重を移すでしょう。EJB ではなく、何らかのコンテナは引き続き必要です。しかしそれは EJB2.1 以前の重量コンテナではなく、別の何かです。これらの動きは JPA の導入を契機として起こってくるのです。

Java EE (J2EE)は、非常にしたたかかな存在です。中心に君臨しながら、周縁のテクノロジーをたくみに中にとりいれ、生き残ってきたブランドです。コンテナ/コンポーネント思考、CORBA、MOM、Web サービス、DI、AOP 周辺の技術をたくみに取り入れ、先進性、存在意義を確保してきました。ただ、ブランドが生き残ることは開発者にとって、ユーザにとって決して悪いことではありません。長らく続くブランドが、信頼性を醸成していることはテクノロジーの発展、普及には非常に重要な要素だからです。
中心としての Java EE ブランド、そしてそのブランドの下側にあるテクノロジーとの二重構造、これを確定させたのが、Java EE 5、そしてその中で導入された New Java Persistence API だと思うのです。開発者にとって、好ましいテクノロジーが、安定した Java EE ブランドの元で花開く。悪いストーリーではありません。今だからこそブランドの強みに感謝し、そしてその信頼性を最大限利用すべき時なのではないでしょうか。


6月 05日 2006年, 05:00:00 午後 JST Permalink

20060604 2006年 6月 04日 日曜日
Thought on J2EE/Java EE Brand I

最近、Java EE (旧 J2EE)ブランドについて考えることがあったので、少し記してみたいと思います。

Java EE ブランドに関して、Sun が最も強固だったことは、誕生以来、長らくの間、J2EE のサブセットを認めてこなかったことと言ってよいでしょう。各種ベンダからの要望 - 一番多かった例は、Web コンテナ(つまり、JSP と Servlet コンテナだけのセット)だけの製品に J2EE ブランドをかぶせて欲しいという要望でしたが、それを Sun は拒み続けてきました。
この圧力は相当強いものだったにもかかわらず、Sun が決して認めなかった理由は二つあると私は考えています。

一つは、プラットフォーム・ブランドの維持です。Microsoft のテクノロジーの場合、テクノロジーは即ちマイクロソフト社の製品であるので分化は起こりえませんが、Java ソフトウェアは誰もが自由に実装することが許されています。J2EE という仕様があっても、それに忠実に従った製品もあれば、サブセット版もあり、仕様に一部反する亜流も存在します。それらすべての存在が許される混沌とした世界だからこそ、互換性がきちんと保障された製品には明確なお墨付きによって差別化することは重要です。

「それにしても、Web コンタナ限定のサブセット版くらいは存在を認めてもよかったのでは」という議論もあるかと思います。これは難しい問題ですが、プラットフォームやブランドはいたずらに分化すべきではない、のも事実です。Java ME の世界では、ハードウェアの特性からフラグメンテーションやプロファイリングを認めざるを得ませんが、エンタープライズの世界は、できればきれいな単一のプラットフォームが存在はより重要でしょう。"J2EE Web Edition " を認めれば、"J2EE XML Edition" やら "J2EE Web + DB Edition" といった、様々な Edition への要望が出てきて収集がつかなくなったことも容易に想像出来ます。"Web Edition"を認めないことで、ブランドが瓦解することの歯止めとしていたと言ってもよいかもしれません。

Sun のブランド関連チーム、リーガルのこの必死の防衛作業は、誕生まもなく、まだまだ、か弱かったJ2EE ブランドにとっては大きな意義のあったことだと思います。統一された正統ななブランドを確立することで、J2EE は「中心と周縁」の中心としての役割をきっちりと果たしたわけです。周縁は、様々な次世代のテクノロジー、アイデアが生まれる exciting な場ですが、中心がしっかりしているからこそ周縁も存在意義が与えられ、活性化するわけです。

二番目の理由は、最初の理由とも関連するのですが、Sun (及び主だった J2EE ベンダー)は EJB を守ろうとした、ということです。EJB はエンタープライズシステムの中核となるべく生まれてきたテクノロジーで、アイデアそのものはすばらしいものでした。今でこそ、DI の発想が普通になりつつありますが、DI のベースとなるコンテナ/コンポーネントのアイデアは EJB が Java の世界に導入したことは忘れてはなりません。

ともかく、J2EE を普及させるにあたって、EJB は戦略的に必須の要素でした。一方、当時主流だった Web アプリケーション開発は Web コンテナのみが利用され、EJB 層の実用度は低いとみられていました。。ただ、ビジネスロジックの層になんらかの中核コンテナが必要なことは明らかで、今日の Spring や Seasoar などの軽量コンテナの普及は図らずもそれを実証しているといえなくはないと思います。Java エンタープライズシステムの開発に「中核コンテナ」をもたらす意味でも EJB コンテナは必ず普及させなくてはいけなかったのです。(それが EJB でなくてもよかったという議論は成り立つかもしれませんが、軽量コンテナも注目されていなかった当時、ほかに代わるものはあり得なかったでしょう)

(To Be Continued)


6月 04日 2006年, 04:03:06 午後 JST Permalink

20060519 2006年 5月 19日 金曜日
JavaOne SF - Day 3

三日目の朝は、IBM の General Session です。スピーカーは Eclipse のキーパーソン、Erich Gamma と John Wiegand です。Eclipse の開発プロセスについて丁寧に45分間解説を行いました。General Session というよりは Breakout Session あるいはむしろ BOF 的な抑制の効いたトーンだったのですが、開発者的にはむしろ好感がもてたのではないでしょうか。

初日の Sun の General Session といい、今年はテクニカルな比重が高いのが大きな特徴といえるかもしれません。

さて、昨日の Script 言語の続きです。

乱暴なのを承知で今年の JavaOne のテクニカルな傾向を一言で言い表すならば、猫も杓子も AJAX ということになるでしょうか。 どの会社も AJAX (あるいはそれをラップする用語としての Web2.0)について言及し、AJAX 関連セッションはどれも満員盛況。 AJAX 関連エンジニアはコンベンションセンター内でもパーティ会場内でも引っ張りだこ。

ただ、AJAX のキーパーソンと言われるスピーカーたちに直接話を聞いてみると、以外に冷静に AJAX を考えていることがわかってきました。AJAX によって、User Interface の利便性は向上しますが、あくまで UIをよりきれいに見せるためのデザイン上のテクニックの延長であって、システムにとっての根幹的な要素とは捕らえていないようです。

AJAX は、Web2.0 にとっての中心的なテクノロジーですが、エンタープライズシステムからみたときの重要性はそれほど高くないということかもしれません。

昨年のテクニカルなテーマは JBI に代表される SOA だったと思います。今年は AJAX (Web2.0)、そして来年はおそらく Script 言語になるでしょう。buz word に踊らされるのではなく、それぞれの実態を見極めた上で、開発に必要な技術を適切に取捨選択を行うことが重要だと言う気がしてなりません。

さて、今日は最終日、いよいよ James Gosling の General Session です。


5月 19日 2006年, 11:04:00 午後 JST Permalink

JavaOne SF - Day 3 (night)

三日目の夜は Mark Hapner、稚内北星学園大学の丸山先生たちとの夕食で過ごしました。 昨年華々しくデビューを飾った JBI のその後の展開について貴重な話を聞けました。 その内容については後述するとして、JavaOne でなぜパーティが大事か説明しておきたいと思います。

日本人でもそうですが、アメリカ人でもやはりネット上だけの関わりしかない人との人間関係はやはり希薄です。 いったん直接会って、打ち解けて話た後では、その後のコミュニケーションが非常に楽ですし、協力的です。 アメリカに住む人たちはとくにその傾向が強い気がしています。

また、お酒の席ですと、公式の場、セッション会場などでは言ってくれない、キーパーソンの本音が聞き出すことができます。ハイテク業界全般にいえることですが、会社の公式見解としての方向性と、エンジニアとしての志向は往々にして違います。 そして、表面上に現れないエンジニアの思いの総和は、技術の進化の方向性を決める上で非常に大きな役割を果たしています。

公式なセッション会場だけでは、特に、Buz Word に踊らされがちなのですが、そうではない、実態を見極める上で、パーティへの参加は非常に有意義です。 スポンサーにしてみても意味なくパーティを開いているのではないのです。自分たちの開発者コミュニティを育てる上でアンオフィシャルな場を提供することが必須だと知っているからこそ、少なからぬ資金を提供しているのです。やはり歴史は夜に作られるのです。


5月 19日 2006年, 11:03:00 午後 JST Permalink

20060518 2006年 5月 18日 木曜日
JavaOne SF - Day 2 (night)
JavaOne といえば、なんといっても、夜のイベントが花盛りなのですが、昨日は、SDN パーティに参加してきました。有名エンジニアや Executive がべろんべろんに酔っ払っているのをみるだけでも非常に楽しいです。 元同僚の一人はこう叫んでおりました。「Why are these guys talking about Java? What is Java?」ウォッカを瓶ごと飲んでいた彼は相当酔っ払っていたようです。入社当初はとてもまじめな人だったのですが、JavaOne に参加するたびに Party Animal になってしまいました。(でも、今日のセッションではちゃんとまじめにお話すると思います。) 写真を一枚掲載しておきます。私と一緒に移っている彼女は、Tomcat のコミッタで Web アプリケーションの世界ではかなり有名な人ですが、いい感じで酔っ払ってはじけていましたね...


5月 18日 2006年, 08:00:00 午前 JST Permalink 投稿されたコメント [1]

JavaOne SF - Day 2

二日目の JavaOne は、Oracle と BEA の General Session がありました。 残念ながら、BEA の General Session は聞き逃してしまったのですが、 Oracle は、Enterprise システムの構築を EE5、SOA(2.0)、Web2.0 の三本柱で考えていることが デモを交えて紹介されました。

EE5 については、既に2年前から概要ははっきりしていましたし、大きな驚きはないかと思います。 ただ、二年前と違うのは、New Persistence API というとても現実的な API ができたということです。

EJB は EJB3 になって大幅に改良されて使いやすくなりましたが、それでも、EE コンテナ(アプリケーションサーバー)なしで直接 DB に接続するアプリケーションを使いたい方は大勢いるはずです。 New Persistence API は単独で Java SE と組み合わせて使うことを許容するものですし、また、Glass Fish では New Persistence API 単独の jar を公開しています。気軽に Enterprise Application を使いたい方には大いなる朗報のはずです。

ただ、Enterprise の分野では、むしろ EE5 の次の世代の話題が豊富です。ひとつ面白いのは、Project Phoboes です。Script 言語、Dynamic Language への対応は今回の JavaOne の大きなテーマですが、プレゼンテーションのレイヤーで Script (よくある例では、JavaScript つまり、AJAX) を使うのはもはや驚きではありません。 Sun も jMaki (AJAX 用フレームワーク)や、AJAX 対応の JSF コンポーネントやそれを扱うツールである Studio Creator 2 を発表してきています。Project Phoboes はそこからさらに踏み込んで、バックエンドのシステム、つまりビジネスロジックのレイヤーでも JavaScript (あるいは他の Script 言語)を使おう、というものです。 しかも、この流れはツールも巻き込んでいます。NetBeans は近々 5.5 というバージョンがリリースされますが、この次のバージョン、6.0 では、javascript のサポートも入りそうな気配です。

それ以外の話題について書こうと思ったところで、やはりまた時間切れです。 今日の午後か明日にまた続きを書こうと思います。


5月 18日 2006年, 08:00:00 午前 JST Permalink

20060517 2006年 5月 17日 水曜日
JavaOne SF - Day 1

初日の JavaOne が終わりました。例年そうなのですが、Day-1 には、非常に多くの発表があり、一日どころか一週間くらいでも消化しきれないほどです。

プレス等でも情報がいくつか流れていますが、それに乗り切らない情報をいくつかかいつまんでお話しようと思います。 まず、私の Blog でも、過去にふれたりして、事前から注目されていたオープンソースに関わる発表です。 Java EE のアプリケーションサーバーである、Project GlassFish、開発ツールである Java Studio Enterprise, JBI の発展版である open ESB, 正式なオープンソースではないもののコミュニティの方々と開発を進めてきた Mustang など、今回発表されたものも含めて Java プラットフォームの大半がオープンソースソフトウェアあるいはそれに準ずる状況がみえてきました。

ところで、オープンソースにこだわる方々の根拠には三種類あるかと思います。一つは、自由にソースを改変したい方々。決して多い数ではないかもしれませんが、アカデミーや研究機関を中心にその要望は強いものがあります。それに関しては、過去に導入された JRL というライセンスで十分に答えられていると思います。二つ目は、コミュニティにソースを公開することによって Bug Fix を効率よく行ったり、機能改善を行おうというものです。これは、Mustang の開発体制で大きな成功を収めてきたといっていいと思います。実に大勢の方が、Mustang の実装に加わっています。ここまでは、すでに Sun が行ってきたことで十分な回答になっているかと思います。

ただ、最後の点、OS (端的には Linux ディストリビューション)に JRE (JDK) を組み込み、配布したいという要望を持つ方々にとっては十分ではなかったでしょう。そこで、導入されたのが Distro License for Java" (DLJ)というライセンスです。さらに、Sun の CEO である Jonathan そして、ソフトウェア責任者である Rich Green によれば、一週間程度後に、オープンソースに関してなんらかの発表を行うと言っています。 基調講演会場で Rich が「We will go (to opensource)」と言った事への最初の回答となるのでしょう。

さて、今年の JavaOne 基調講演は今まで以上に技術的発表が数多く盛り込まれました。特に強調されたのが、EoD の更なる追求、Web2.0 (AJAX)への対応、.NET との相互接続性、SOA の構築を容易にするという点です。

一つ一つ詳しく書きたいのですが、二日目の基調講演の時間が迫ってきました。時間があればあとでまたアップデートしたいと思います。


5月 17日 2006年, 07:00:00 午前 JST Permalink

Aquarium Japanese Edition

今回の JavaOne では、いたるところで耳にする GlassFish ですが、日本の開発者の方にとっては英語情報ばかりなので少しなじみくいように感じられていたかもしれません。しかし、朗報があります。SDC のサイトにも書いてありますとおり、GlassFish 関連のBlog、その名も Aquarium (水族館)が日本語化されはじめました。



日本語化を行っているのは、Servlet の Spec Lead をされてきた吉田豊さんや、JAXB の実装で有名な川口耕介さんです。貴重な情報がいくつもありますので、ぜひご参照ください。


5月 17日 2006年, 05:00:00 午前 JST Permalink

20060516 2006年 5月 16日 火曜日
JavaOne Preview

今日から JavaOne がはじまる。 直前ではあるが、今年はどんなことが話題になりそうか、書いてみたい。

まず、Java EE だが、EE5 のリリースがあるのは誰もが承知のことだが、その先のバージョンの内容が明らかになってくる。 昨年は、JBI が大々的にとりあげられたわけだが、一年たって仕様よりは実装ベースの話が中心になるだろう。 一般の開発者からすると、JBI そのものを意識すると言うよりは、JBI の実装を使って、Composite Applictions (SOA) をどう構築するかが、テーマになる。BPEL Service Engine, BPEL Orchestration 用のツールをどう使うかの話題が増える。このあたりは Sun が買収した旧 SeeBeyond と、Java EE 製品群との統合も重要な要素だ。

MS との Interoperability も新しい段階に入った。Indigo (Windows Connection Foundation) と Java Platform の連携は、Project Tango で図っていたが、その成果が発表されると思って間違いない。

EE6 の内容は正式には何も決まっていないが、Script 言語への対応の比重が大きくなりそうだ。AJAX の用にプレゼンテーションレイヤーにスクリプト言語を使うことは世の中の既定路線となりつつあるのだが、さらにその後ろのレイヤでも Script 言語を使う試みがある。 AJAX まわりの話題に関しては、すでにマスコミ等でリークされているので改めてこのエントリで取り上げる必要もないかと思う。

バックサイドのレイヤーの話題としては、EJB3 の次が気になるところだが、EJB と JSF の連携に関して新しい JSR を立ち上げようと言う動きもあるようだ。

また、オープンソースの Application Server である、Project GlassFish は予想を上回るダウンロード数のようで、この GlassFish への言及も多くなると予想される。

SE に関しても、Mustang の内容が固まった今、Dolphin で導入されそうな機能が少しずつ見えてきた。新しい言語仕様や、新しいバイトコードを導入して、動的言語(この場合、Script 言語とほぼ同義と考えてよいだろう)を JVM の上で直に実装する、パッケージや jar に新しい概念が導入される、など、なかなか興味深い動きがある。いくつかは既に JSR として立ち上がっているので、情報に敏感な方は予想されているかもしれない。

ME は、MSA が軸に話が進むが、こちらも Script 言語との連携が一つの話題になっているのは興味深い。CDC、CLDC といった JVM にもいくつかのアップデートがありそうだ。

また、テクニカルな面以外で言えば、以前のエントリでも触れたが、オープンソースに関して何らかの言及が行われる可能性がある。日本人にも、ファンが多い Dukelele 愛好家が初日から基調講演終了後、某所で何かをするとの情報も入っている。

パーティは今年も様々の会社が行うが、今年巷で話題の某社のパーティは火曜日(本日)の夜のようだ。お祭り好きな方はパビリオンコーナーを中心に情報収集して、楽しいパーティにぜひ参加していただければと思う。

ともあれ、今日から様々な意味で Crazy な祭典がはじまる。この Blog でもできる限り毎日情報をアップしたいと思う。直接参加される方の参考になればと思うし、残念ながら参加できなかった方も、なるべくタイムラグなく雰囲気を味わってもらえたらと思う。


5月 16日 2006年, 12:00:00 午前 JST Permalink

20060418 2006年 4月 18日 火曜日
Java Performance Seminar

今週、金曜日、米国から来日した Java Performance Engineer の Menasse Zaudou (フランス語読みでメナス・ゾウドゥ)を迎えて Java Performance Seminarを行います。


緊急開催のセミナーにもかかわらず、いつも以上の集客があり 今日午後の段階で、募集を締め切らせていただきました。


応募しそこねた皆様、申し訳ありません。 資料はできればセミナー直前にでも SDC サイトにアップいたしますので ご覧ください。


それにしても、パフォーマンスに関するテーマは最近、JavaOne でも 人気の高いトピックです。 今回の応募数の多さは予想以上でした。当日のフィードバックしだいでは またパフォーマンス関連のセミナーを行いたいと思っております。



4月 18日 2006年, 02:00:00 午前 JST Permalink

New License For Java Runtime Environment?

今年も JavaOne SF が近づいてきました。今年の JavaOne ウィークは、San Francisco 界隈の ホテルが満室のところが多いようですね。 US も景気が持ち直してきたということでしょうか。


さて、JavaOne の技術的な見所を書く前に non-technical な話題をひとつ。 いつも聞かれる質問で今年の JavaOne でも話題になりそうなことのひとつは、 JRE (JDK) の再配布のライセンス問題です。 最近、導入された JRL や JIUL, あるいは JDL は、オープンソースに近いものだし 実運用上、それで不都合なことはほとんどないと思われます。 ただ、現行のライセンス(昔に比べれば大幅に緩和されている)を Sun 社内の人間ですら 理解していないことがあるので、いまだに大きな問題と考えている方も少なくはないと思います。


ここで、現行のライセンスの要点をまとめておきたいと思います。 下記のライセンス条項 JRE 5.0 Binary Code License Agreement 特に SUPPLEMENTAL LICENSE TERMS の B (i) が重要です。


you distribute the Software complete and unmodified and only bundled as part of, and for the sole purpose of running, your Programs


とあります。つまり、JRE の再配布は、自分の作成したプログラムの配布が目的であれば かまわないのです。 自分の作成したプログラムとは、商用の製品かもしれませんし、たんなる Hello World レベルの ものかもしれません。プログラムの種別に言及はありません。 それ以外の用途に使うのならともかく、自分のプログラムの実行環境として配布するのは なんら問題ないのです。(もちろん、厳密にいえば、上記条項以外の細かな条件をすべてクリアする必要は ありますが、どの項目も常識的な制限であると思います。)


多くの人が誤解しているような、厳しい条件ではないとわかっていただけるかと思います。 ただ、例外の方もいるにはいらっしゃいます。たとえば、Linux OS のディストリビュータ。 アプリケーションの実行環境としてではなく、OS のライブラリの一部として Java プラットフォームを 提供したい方は、上記条項に抵触していしまいます。 そして、それが多くの Linux サポーターが現行の Java ライセンスに不満を感じている点でしょう。 では、これが解決するのか?


結論は、JavaOne が始まってみないとわかりません。社内の人間にすら、どういう決定が行われるか 直前までわかりませんし、担当者自身が JavaOne 基調講演のその場で初めて聞くこともよくあります。 ただ、Sun が、上記問題について考えているのは確かです。 そして、今年の JavaOne でそれらを解決する新しいライセンスが導入される、発表される可能性はあります。


技術的な発表も楽しみな JavaOne ですが、それ以外の点にも要注意していただきたいと思います。



4月 18日 2006年, 12:00:00 午前 JST Permalink

20060413 2006年 4月 13日 木曜日
Topics for JavaOne SF 2006

今年の JavaOne SF のトピックは何か、しきりに聞かれるようになりました。 それを見越して、今月号の Sun Enterprise News では関連記事を載せています(実際に執筆したのは同じチームの間宮さん)。
ただ、これはあくまで簡単な紹介なので、もう少しボリュームのあるものを近いうちに、Blog か SDC のどこかのページに書こうと思っています。取り急ぎの予告です。

4月 13日 2006年, 04:00:00 午前 JST Permalink

20060412 2006年 4月 12日 水曜日
Sun Enterprise News April 2006








Sun Enterprise News 4月号
が、今日から配信しております。
先のエントリ4月号のフィーチャーストーリーでも紹介したとおり、今月号から大幅にコンテンツを拡充しました。
フィーチャーストーリーで書ききれなかった部分も解説したいと思います。



非常に多くのコンテンツが盛り込まれた SDC の今月号ですが、来月以降はさらに大型連載が開始されます。ビジネスパーソン向けには「Java ビジネス事例最前線」(仮題)、稚内北星学園大学の浅海智晴先生には、「Java 開発者のためのモデリング講座」(仮題)、同大学植田先生には「Java ME 技術解説」(仮題)、Sun のコンサルティング部隊が豊富な経験を交えて書く「SOA 最新事情」(仮題)、JavaOne 前後には、その予告/レポート記事など、盛りだくさんな内容を予定しておりますので、今後も SDC にご期待ください。
もし、SDC に関してコメントやフィードバックがありましたら、このブログのコメント欄、あるいは以下の問合せ先にお送りください。Java 開発者座談会も6月頃、また開催させていただく予定です。




お問い合わせ先
Developer Contact Center(DCC)


    FAX: 03-5331-8894
    E-mail: sdc@sun.co.jp
    住所:
    〒161-0034
    東京都新宿区上落合 2-28-7
    落合高山ビル 5F


4月 12日 2006年, 09:47:46 午後 JST Permalink

20060317 2006年 3月 17日 金曜日
SDC(JDC) will be upgraded

今月の Sun Enterprise Newsletter をごらんになった方はあるいはお気づきかもしれません。
SDC (正確にはその中の Java Developer Connection ) に新しいコンテンツが続々増えつつあります。
2月号、3月号から始まった新しいコンテンツには次のようなものがあります。


実は、これらの新コンテンツはまだ序の口です。4月号からは、本格的に新連載が続々はじまります。Ajax, Web2.0, NetBeans, Java ME, 開発方法論、キーワードだけでも数え切れないほどです。
また、先日のSDC 座談会でいただいたフィードバックもこれら新コンテンツの中身に反映していく予定です。今年の SDC コンテンツにはぜひご期待ください。


3月 17日 2006年, 05:00:00 午後 JST Permalink

20060309 2006年 3月 09日 木曜日
Duke Pendant

Today I got a very nice Duke pendant from Mihoko Suzuki-san, one of my colleagues. She is very good at making silver accesory and made this Duke Pendant.


This is really great work, Mihoko-san!! Should I put it on myself in some seminars? Or should I give it to a SDC member? And how?
Anyone has idea?


3月 09日 2006年, 05:00:00 午後 JST Permalink 投稿されたコメント [1]

20051221 2005年 12月 21日 水曜日
Java Seminar in Hanoi
久々のエントリです。JavaOne 終了後、Java セミナー全国シリーズでなかなかエントリをする精神的余裕がありませんでした。

Java セミナー全国シリーズは、前半の札幌、大阪、福岡と共に、後半の JavaFesta in 札幌、沖縄、そして番外編のハノイ(ベトナム)、いずれも盛況でした。

どのセミナーも印象深いできことがあり、学ばされることが多かったのですが、とりわけ昨日のベトナムでのセミナーは大きな刺激を受けました。

日本にいると、ベトナムに関する情報はあまりないかと思います。せいぜい、中国の次のオフショア対象国、中進国で小国、ともすれば他の東南アジアの国とイメージが混同しがちかと思います。

しかし、今回さまざまなベトナムの教育関係者や企業の方、開発者の方と話して認識をあらたにしなければならないと思った点がいくつもあります。

- 豊富な人的資源
ベトナムの人口は現在、8千万人。中国はもちろん、日本と比べても少ない人数です。
が、見落としてはいけないのは人口構成です。人口の80%以上が30台以下の非常に
若い国です。また一般的な教育水準が比較的高いのも特徴です。
ソフトウェアエンジニアのポテンシャル層は日本にくらべて少ないとは決していえない ボリュームを持っています。

- ソフトウェアエンジニアのレベルの高さ
私たちのセミナーに来る層、打ち合わせで話す相手は、ベトナムの中ではかなり進んだ 力量を持った方々だと言うことは想像できます。しかし、それをさしひいても
知識の量、経験の豊かさには驚きを禁じえませんでした。
まだ日本でもそれほど知名度のないDSLについて知っている方もいらっしゃいましたし 開発方法論に関しても理解が深かったのには驚きです。
またEJB/CMP の開発経験がある方の比率が多かった点も興味深いことです。
少なくとも上級開発者層に限って言えば、日本のエンジニアのその層より
劣っているということはなさそうです。

- ソフトウェアに関する教育レベル
少ないサンプルで結論は出せませんが、大学でのソフトウェア教育に関しては
日本よりはるかに進んでいるという印象を持ちました。
Java は既に大学での教育のベースになっているようです。
EJB に関する教科書があるのは確認しましたし、来年には Struts/JSF に関して
教育を行うという教育機関もありました。
日本の場合は企業内教育、あるいは自助努力でで開発者の方が技術のキャッチアップを熱心にされていますので
Struts のコースと聞いてもあまり驚きはないかもしれませんが、大学でそのコースが
ある例はほとんどないのではないでしょうか。

- プロフェッショナリズム
実際に仕事を一緒にしたわけではありませんので早計な判断はできませんが、
現地で働く日本人の方々、また開発者の方々と話した印象では、仕事内容は緻密そうですし
組織への忠実度も高そうです。ビジネスパートナーとしては好ましい方々が多いように
思えます。
ただ一方で、若年層が多いせいか、高い生産性の反面、プロジェクトマネージメント能力の 低さを指摘する声も聞きました。

- 英語力
トップレベルのエンジニアはもちろん英語を話すのですが、フィリピン、中国、韓国と 比べて会話能力が高いと言うことはなさそうです。英語でスムーズにコミュニケーション
するのは少しハードルが高そうです。
ただ、ソフトウェアのテキスト等は英語で書かれたものがほとんどですので、
ドキュメントを読むことに関しては障害は少ないと思われます。
日本語を話す人も一定の割合でいます。

- 親日感情
あまり政治的なことを書くつもりはないのですが、一般的に日本に対する親近感は
強いようです。

オフショア開発と言うととかく中国、インドばかりが注目されていますが、
ベトナムという選択肢の可能性の大きさを感じた今回のセミナーでした。

12月 21日 2005年, 05:00:00 午後 JST Permalink