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【政治】

ガソリン税も再可決方針 与党 道路整備の財源確保

2008年1月16日 07時15分

 与党は十五日、ガソリン税(揮発油税など)の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案が参院で否決された場合、衆院で三分の二以上の賛成で再可決して成立させる方針を固めた。民主党が参院での採決を引き延ばした場合、参院送付から六十日が経過すれば否決されたとみなすことができる憲法五九条の規定に基づいて再可決を図る。道路整備の財源を確保するには、二〇〇八年度以降も暫定税率を継続する必要があると判断した。

 自民、公明両党の衆参両院の幹事長、国対委員長は同日、国会内で会談し、暫定税率撤廃でいったん下がったガソリンの価格を再び引き上げるような事態になれば、大きな混乱が生じるとして、同改正案を年度内に成立させる必要性で一致。

 さらに、同改正案を例年より前倒しして一月二十五日にも国会に提出、二月中旬に参院に送付し、三月末までに参院で採決するよう民主党に促す方針を確認した。

 福田康夫首相は十五日、臨時国会閉会を受けた記者会見で、同改正案を衆院で再可決させる可能性について「どういうことになるのか、今から想定して方程式は持っていないが、それはその時考えること」と、民主党が反対姿勢を変えない場合には排除しない姿勢を示した。

 これに対し、民主党の山岡賢次国対委員長は十五日の党代議士会で、同改正案について「政府は法案に反対しにくいよう、(ガソリン税以外の租税特別措置を含めて)一緒に提出するだろう。整合性のある分類をして出さないものは(審議に)応じない」と、所得税や道路関係など分野ごとに分けて提出するよう求めた。

 租税特別措置に関し、民主党は内容によっては賛成の部分もあり、焦点のガソリン税に特化して対決姿勢を鮮明にする狙いがあるとみられる。

■民主は解散へ攻勢

 民主党が、ガソリン税などの暫定税率撤廃に向けた共同歩調をとるよう、他の野党への働きかけを強めている。

 民主党の直嶋正行政調会長、藤井裕久税調会長は十五日、国民新党の自見庄三郎政審会長と国会内で会談し、暫定税率撤廃に重ねて理解を求めた。税率維持を決議している国民新党側の賛同は得られなかったが、今後も説得を続ける方針だ。

 これまでも、直嶋氏は社民党の会合に出席したり、山岡賢次国対委員長が同党所属議員に電話をかけたりして説得。共産党にも近く民主党の考えを説明する見通しで、民主党執行部は、共産、社民両党とは共闘できると期待している。

 十五日に閉会した臨時国会で、民主党は他の野党への根回し不足で反発を招いたが、一転して根回しに力を入れる理由について、同党幹部は「(参院で)過半数を確実に確保する必要性もあるし、その後の選挙協力もある」と説明する。

 民主党は、通常国会を「ガソリン国会、ガソリン政局にして、ガソリン解散まで持っていく」(国対幹部)戦略を描いており、「ガソリン」の旗の下に野党結集を実現させたいのだ。

 臨時国会での根回し不足を「真剣に反省」(鳩山由紀夫幹事長)したことをアピールする狙いもあるとみられる。

 ただ、肝心の民主党内で、暫定税率撤廃には依然批判があり、党内の意見集約が「とてもすんなりいかない」(参院幹部)のも実情だ。 (高山晶一)

(東京新聞)

 

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