News & letters35
高知新聞の「黒い陽炎」は大変立派なドキュメンタリーです。しかし、問題点は次の通りです。
1、新聞としての自己点検が欠落している。
*報道機関として同和問題自体の取り組みにつ
いて無責任であった。県下各所に問題が出て
いるのにタブー視して批判的取材が全くなか
った。
*また、モード社の計画と事業について新聞が
手放しで賛嘆していたこと。県下の縫製工場
など同和対策事業を利用した悪質な実態が
多数出てきていて、市町村の各担当が苦慮し
ていたこと、
それらをなんにも取材せず無関心であった。
*実質的にはこのモード社の事業は同和問題が
利用されただけであり、同和地区とは関係のな
い犯人や県庁関係者の、それらの連中の利益
が目的であったということの究明が全くなされて
いなかった。もちろんそれらの利権追求者らが
運動団体幹部の威光をかさにき、それら幹部
が事業を押しつけた事実はある。しかし、これ
によって同和地区住民は何ら利益を得たわけ
ではなかったこと、これらの事実が等閑に付さ
れた。
その結果、闇融資事件が同和地区住民の黒
い闇であり、暗黒部であり反社会性を裏付ける
ようなイメージを醸成した。
そういうことの犠牲の上に賞を受賞したのであ
れば、正義と人道を犠牲にしてジャーナリストた
る者が何を得たということになるのか。
事件の不正を暴いたとしてもその真の原因、真
の責任者に照射するものがなかったとしたら、
かえって何の罪もない、物言うことのできない民
に罪の転嫁がなされたとしたら、・・・やりきれな
いおもいがするのではないか。
黒い陽炎の源泉は人民の中にあったのではな
く、県庁の奥深くにあった。そのように描き、追
求するのでなくては、断罪された結果とつじつま
が合わない。
事件の解明はこれで終わったのではない。民事の裁判もあるが、最高裁の結果が出て確定した以上、確定した刑事事件のすべての資料は公開される。すべての警察調書、多くの人の供述書、最高権力者の供述書をも開いて真相を開いてみなければならない。
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