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2007年10月11日 (木)

News & letters44

東洋町老人高額医療費等の未支払い事件について

水道のメーター事件に続いてまたも失態が明るみに出ました。水道の事件とは違って、今回の医療費の事務はすべてデータがあり、決算書などに誰が見てもわかるように記録されていました。滞留していた事務の実態はすでに分かっていたようです。長が決断して対処するかどうか、という事態にまでなっていたようです。

住民の皆さんや関係医療機関の方々にお詫びをいたします。
私がこの問題について知り始めたのは就任してから3,4ヶ月後のことでした。幾人かの住民から高額医療費の還付金の支払いが遅い、請求してもなかなか手続きをしてくれない、という苦情でした。
最初は役場の事務で部分的にこのような遅滞や不親切がある、という程度の認識で対処するよう指示をしていました。しかし、庁内の職員、担当の幹部職員の話では、この事務を担当している者の事務処理の懈怠はただごとではない、住民への迷惑は非常なものだという報告をうけましたので、事情を本格的に調査することにしました。それがこの8月のことです。驚くべき実態が浮かび上がりました。その職員の担当している主要業務が3年間にわたり滞っていました。上司の指導も全く馬耳東風でまともに仕事をしていない状況が分かりました。本人に聞くとあまりにもにも仕事が過重であり、やりきれないのだという弁解がありましたが、そういうわけではないようでした。
1ヶ月以内に滞留している仕事を整理し解消しなければ役場におれないぞ、と厳しく言い聞かせ、配置換えを行い、整理をやらせました。9月中にはパソコンからほとんどの書類を打ち出し、住民に通知し支払いを開始しました。
高額医療の支払いは平成16年8月分から19年7月分まで  555人分1640万7494円 です。

高額医療だけではなく10軒ばかりの接骨医への支払いの滞留も出てきました。3年間分の請求書が山のように積んであり、ほとんど出納課に回していませんでした。その中には1軒で600万円を超すというのもあります。
   10ヶ所の接骨医への療養費の未払いは
平成16年8月分から19年7月分まで
    704万6898円 です。
ちなみに平成19年9月現在で東洋町の老人医療の加入者は701人です。
未払いはここ数年の決算書で「不要額」として計上されていました。1000万円を超す不要額(未執行)として明示されていました。よく、議会で問題にならずにきたものです。
これらの事実はこれまでの東洋町政の驚くべき遺産でした。住民の皆さんに何とお詫びしていいか言葉もありません。
この1ヶ月そこらで3年分のたまっていた業務を整理し終わったのですから、当の職員も能力的にも時間的にも十分に処理でる業務であったことが立証されました。業務は過重ではなかったのであります。


この事件の原因は
  1、任命権者と本人の問題 であり、
  2、業務遂行の組織のあり方 であります。
1、配置した部課の担当課長の指導の及ばない状 
 況であり、任命権者(町長や助役)が断固たる処置 
 する必要があった。
2、また、各課の業務の遂行において任務分担制を
 とり、職階制の指揮命令系が不徹底だった。
 課員の仕事は幹部職員を始め課員全体が遂行す 
 るという体制と意識が欠落していた。

東洋町にはこれまで懲戒処分に関する規則がありませんでした。この件でという訳ではありませんが、懲戒処分の審査委員会の設置につき1ヶ月前から規則をつくっています。処分はその審査委員会で検討されることになります。

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コメント

澤山さんの行政手腕のおかげで、地方の小さな自治体が息を吹き返していきそうですね。
住民のみなさんが、あたりまえの行政サービスを受けられるようになりそうで、ほんとによかったです。
町外住民も、頼もしく見守っています。

投稿 げき | 2007年10月11日 (木) 21時25分

担当者と管理職のやる気の問題


 高齢者の高額医療費の払い戻しを怠っていたことは問題は深刻ですね。沢山さんが言われるように1ヶ月で解決されたのですから、結局担当者と管理職の「やる気」の問題であると思いますね。

 類似とは言えないとは思いますが、わたしも前に勤務していた会社でも「未入金」が600万円ある問題の解決をしたことがありました。営業担当をしたとき、前の担当者が販売店から集金できないお金が総額600万円ありました。

 調査をしますと担当者が販売店と口約束で販売単価を決めていて、実は上司の許可を得た販売単価ではなく、その分が未集金になっていたという単純な問題でした。
 行為は単純ですが、取引の信義に関わる問題でした。

 結局、営業する傍ら、前の担当者、販売店、上司にヒアリングし、情報を整理し、1ヶ月ですべて未集金を処理しました。販売店から回収した分。こちらが上司の許可を得て値引き伝票を発行した分。ありましたが事情を真剣に吟味すれば解決はそれほど難しくはありませんでした。

 今回の役場の件も担当者が問題意識をもって動けばこうはならなかったでしょう。まして高齢者の医療費負担は生活には支障をきたすものです。

 2度とないように役場の改革が進むこと、職員の意識変革が進むことを願っています。

投稿 西村健一 | 2007年10月12日 (金) 18時58分

高レベル核廃棄物処分場誘致問題について

沢山町長 様

先週末、東京での9・30集会で講演され色々な情報を得ることができありがとうございました。反対勢力や嫌がらせも続くかとは思いますが、応援していますので頑張って下さい。

投稿 鈴木則子 | 2007年10月13日 (土) 18時14分

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